第四十九話
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要な事を体験できるからね。
ベースキャンプを出ると、いくらも行かないうちに草食竜、アプトノスの群れを発見する。
「ねえ、お兄ちゃん。もしかして生肉って…」
「あの子達の肉?」
なのはの言葉を継いだフェイト。
「正解だ」
「ふーん、じゃあ行っか。フェイトちゃん」
「う、うん」
二人とも『絶』を使って気づかれないようにアプトノスに近づく。
「はぁっ!」
先に動いたのはフェイトだ。
手に持った小剣に『周』を使って強化して目の前のアプトノスに切りかかる。
ザシュっ
ザァーーーーーっ
切り落とした首から吹き上がる血飛沫。
今までのグリード・アイランド内のモンスターとは違う。
今までは弱点部位を攻撃すればカードになっていたが、ここでは違う。結構リアルに生物を再現しているのだ。
「え?」
「あっ」
驚きの声を上げるフェイトとなのは。
しかし、すぐに現状を理解して自分もアプトノスを刈り始めたなのはと対照的にその光景で固まったまま呆然としているフェイト。
たまらず膝を着きリバースしている。
まあしょうがない。
俺も初めて生き物を殺したときは酷かった。
なのははと言えば、修行で山篭りをした時などには野生動物を狩って、自分たちで捌き食していた。
確かに最初は戸惑いもしたがじきに慣れたようだ。
しかしフェイトにはまだそんな経験はない。
非殺傷設定のある魔法では相手に致命傷を与える事は無かった。
フェイトにしてみれば生まれてはじめて生き物を殺したと言う事になる。
「うぅ…うぇ」
「大丈夫?」
なのはが自分が倒したアプトノスから生肉をゲットし、バインダーに修めた後、気遣うようにフェイトに近寄った。
「なのは……なのはは大丈夫なの?」
「わたしも昔、始めは戸惑ったよ。だけど生きるって言う事は他の生き物を殺す事だって知る事が出来た」
「なのは…」
立ち直ってくれなければそれまでだ。
今日のこの経験は良い意味でも悪い意味でもフェイトの糧になるだろう。
その後、直ぐには立ち直れなかったフェイトだが、なのはが9匹目を倒した所で何とか起き上がり、真っ青な顔をしたままだが、それでも小剣片手にアプトノスへと向かっていった。
その後、何度かクエストを受けるうちに次第にフェイトの心も持ち直していった。
ランポス、ドスランポスとこなし、装備を整える。
鉱石系の防具の方が揃え易いと言えばそうなのだが、フェイトのレベルも最初のランポスの集団戦を乗り越えれば後はランポス辺りはもはや相手にならない。
クエストを始めてから一週間。
俺たちは今、酒場のテーブルに付き、皆で
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