閑話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
デイドラは紅蓮に染めた瞳にウォーシャドウを映す。
ウォーシャドウはデイドラの出方を見るように佇んでいる。
(力を得るには――)
デイドラは短刀を握り直し、腰を僅かに落とす。
(狩るだけ)
短刀を構えるとともにウォーシャドウも不動ながら迎撃の気配を纏う。
(他に何もいらない!)
デイドラは地面を渾身の力で蹴って、ウォーシャドウに突貫した。
地面を蹴る度に速度は増し、ウォーシャドウを間合に捉えたときには弾丸と化し、遅くはないウォーシャドウの反応速度を引き離す。
腕を僅かにもたげただけで棒立ちのウォーシャドウの胸部に袈裟斬りの一閃。
間を空けず、続けて胴を通り過ぎ様に斬り払い、その勢いを殺さず右足を軸に反時計回りに回転しながらウォーシャドウの背を横薙ぎの二連撃を叩き込んだ。
ウォーシャドウは何が起きたのか理解できないまま、僅かな反撃も許されず、身を震わせると、力無く地に倒れ伏す。
(いる。もっと力がいる)
デイドラはウォーシャドウが倒れ伏した一拍後、短刀を振り抜いたときのままだった体勢を解きにウォーシャドウの骸に一瞥も与えず、足を通路に向けた。
◇
浅はかにも襲い掛かってくるどんなモンスターも一瞬以上の時間をかけず屠りながら、さまようこと半時間。
デイドラは下階――つまり七階層――に続く階段の前に静かに立っていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ