マブラヴ
1009話
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ってきた美砂だが、たまに俺の前ではこういう顔を見せる。この辺は恋人の特権だろう。
「いや、勿論美砂が出迎えてくれて嬉しいのは間違いない」
「ちょっと、アクセル君。私は?」
次に不機嫌そうになったのは円。
そんな円に小さく頭を下げて口を開く。
「訂正だ。お前達みたいな恋人に出迎えて貰えて俺は果報者だよ」
「そうそう、分かればいいのよ。ま、本当はあやか達もこっちに来たがってたんだけどね。勉強の為もあって、エザリアと一緒にオーストラリア政府や国連と交渉中よ」
「そ。だから、後であの2人も十分に可愛がってあげてね」
どこかからかうような声を聞きながら、ニーズヘッグを空間倉庫へと収納する。
「ああ、そうさせて貰うよ。それで、交渉の方はどうなっている?」
「結構スムーズに進んでるみたいよ? まぁ、そもそも恭順派や難民解放戦線は百害あって一利なしって感じだから当然でしょうけど」
そう告げる円だが、恐らくどこかの国とか企業とかが協力しているのは間違いないんだよな。
でなければ、あれだけの大規模なテロ行為を起こすのはまず不可能だ。
……一時期はアメリカやソ連辺りを怪しんでいたんだが、その様子はない。
いや、今はその様子はないと表現するのが正しいか。
恐らく以前は確かに手を組んでいた……とまではいかなくても、何らかの協力関係にはあったのだろう。
でなければ、海上プラント襲撃の時に使用された複数のF-15Eを用意は出来ない。俺達が来る前に開発――正確には改修――されたばかりの新型機なんだから。
だが、その辺に関しては別にどうこう言うつもりはない。海上プラントの件でのアメリカの失態に関しては、現在アメリカ軍で使われている戦術機全機種をシャドウミラーに譲渡するということで手打ちとなっているのだから。
問題は、やはり現在の恭順派共がどこの組織と繋がっているかだが……まぁ、その辺に関しては今回のアンバール基地解放作戦で捕虜がいれば聞き出せるかもしれないな。
「なら、そろそろこっちも準備しておいた方がいいか。帰ってきたばかりで悪いが、俺もすぐに出る」
「……でしょうね。そもそもアクセル君がいる時にテロを仕掛けるとか、色々な意味でタイミングが悪過ぎるわ。向こうにしてみれば、青天の霹靂とかそんな感じかしら」
苦笑を浮かべつつ告げる美砂に、円もまた同様だと頷く。
そんな2人を連れ、俺は基地の中へと入っていく。
「それで、交渉自体はどこで? ホワイトスターか? それとも……」
「アクセル君の予想通りよ。この基地の通信施設で。私達も一応護衛って名目で来てるんだし」
「……本当に名目でしかないわよね」
しみじみと呟く円だが、確かに現状でこの基地に攻撃を仕掛けてくるような奴はいないだろ
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