第七話 初の戦闘
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めだ。そのおかげで開始直後スタートダッシュを決めたアスナの剣尖が襲い掛かる。
目にも留まらぬ速さ、常人なら視認不能の剣速の刺突攻撃をリュウヤは軽々と叩き落とした。
槍を担いでいたのはなにも挑発していたわけではない。アスナの初撃が刺突だと読んでいたから槍を上段に置いていただけだ。
レイピアを弾かれたアスナは、驚きに頭を染めてしまう。
まるでそれが狙いだったというかのように長槍という概念を吹き飛ばすような恐ろしい速さで穂先をアスナへと突きつける。
「ーーーッ!?」
「ほら、どうした」
リュウヤは必死に回避しているアスナを挑発するように言い放つ。
だがその物言いに腹をたてる暇もない。一つ一つの動作のキレが尋常ではないのだ。レイピアで弾こうにも、槍が相手では相性が悪すぎた。
「ハッ!」
「くうっ……!」
リュウヤの横薙ぎの一撃で右へと吹き飛ばされてしまうアスナ。なんとか防御しクリーンヒットは避けたものの、抜けた攻撃がアスナの体力ゲージを二割削っていた。
「終わりか?」
リュウヤは開始前と同じ構えでアスナを見据えている。これではアスナの得物十八番である刺突攻撃は簡単に弾かれてしまう。
(こうなったら……)
アスナはレイピアを構えなおし、またもや突進する。
リュウヤは呆れながらもアスナの剣尖の軌道を見つめていたが、正面まで迫り来る直前、それがいきなりブレた。
「っ!?」
慌てて目線で追った先はリュウヤからして右。体勢を変えようと動くが、先に見えたのはアスナのレイピアがライトエフェクトを纏う姿。彼女が最も得意とする《リニアー》だ。
アスナのレイピアが迫る中、リュウヤは咄嗟に後方へとジャンプ。そして彼もソードスキルを発動する。
重単発ソードスキル《ディヴァイブ》
長槍の基本スキルだが、中々に使い勝手がいい技だ。
結果、金属同士がぶつかる特有の音が響きながらアスナのレイピアは彼女の手から叩き落され、振り下ろされたリュウヤの槍の穂先が閃くように軌道を切り返してアスナの首元へと迫りーーーすんでで止まった。
「惜しかったな〜。ま、いい線いってたんじゃない?」
「何をしてるの?早く終わらせなさいよ」
「紳士たる私めにレディを切れと申すか」
「胡散臭いわね。……降参よ」
アスナが言ったことで、このデュエルの勝者はリュウヤとなった。
リュウヤはニコリと笑みを浮かべ槍をストレージへとしまった。アスナもレイピアを拾い上げ鞘へしまう。
「……アスナ」
すると唐突にリュウヤがアスナの名を呼んだ。
「はい?」
「安心しろ。俺は、お前の思ってる通りの人間だから」
「ーーー!?」
驚いた。前々から思っていたことだが、
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