第七話 初の戦闘
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そのモンスターの名は《ロイアルリテーナオブソード》。
武者鎧を着け、腰に刀を差して悠然と構えるその姿はまるで武士のようだ。
ただ中身はモンスターだ。人ではない。
《リザードマン》のような形容をしているが、顔だけが見えない。落ち武者といったところか。
なんにせよ、このモンスターを倒さなければ報酬はゼロだ。代わりにこの世界を去る権利を得ることになる。いっそう気を引き締めた。
数瞬の睨み合い。
ーーーーーーバンッッ!
ゼロから最速へ、その影響で音が部屋に響き渡る。その元凶はリュウヤだ。
一気に間合いを詰め、引き絞っていた右腕を素早く伸ばしきる。槍の穂先が鋭い牙となって敵に襲いかかった。
ノーモーションからの攻撃で反応しきれなかった《ロイアルリテーナ》は躱しきれず被弾する。一気に体力の二割を削られた。
さらにリュウヤは畳み掛けるように得物を振り回し始める。
伸ばしきった腕はそのままに身体だけを反転し、槍を上段から振り下ろす。
《ロイアルリテーナ》の鎧を掠めた穂先の方向を変えて下段から切り上げる。
切り上げとともにジャンプして敵の背後へ回ると水平に槍を薙いだ。ドッ、と音がして敵は横に飛ばされていく。
無様に飛ばされた《ロイアルリテーナ》はなんとか着地に成功。間髪入れずにリュウヤへと飛び込んだ。
その手にもつ刀には赤いエフェクトがまとわれている。
「やべ……!」
リュウヤは相手のソードスキルがなんであるかを悟りバックジャンプで回避を試みる。しかしそれは遅い。
ソードスキル特有のエフェクトが残光を煌めかせながらリュウヤへと迫った。直撃するには至らなかったものの、一気に三割ほど体力を削られる。やはり攻撃力が高い。
第一層ボスが使ったスキル《辻風》だ。
反応してからでは遅すぎるこの技はこの第十層でもレベルの高いやつは使ってくる。リュウヤが見てからでも直撃せずにすんだのはそのおかげだ。
リュウヤはすぐに態勢を立て直し、ソードスキルの技後硬直により動けない《ロイアルリテーナ》へ現状最大のダメージを与えられるソードスキルを発動する。
槍の穂先をエフェクトで輝かせ、システムアシストにより高速の動きを見せる。
左右斜めから《ロイアルリテーナ》の中心部分一点を交差するように斬撃を浴びせ、交差する一点を狙って自身の体重移動も上乗せした刺突をおみまいする。
三連撃ソードスキル《ドットクロッサー》
《ロイアルリテーナ》は攻撃力が高かった。だがその反面、防御力は低いのだろう。だった数回の打ち合いでポリゴンと化した。
「あらら、なんか拍子抜けだわ〜」
強いと確信して臨んだのに、肩透かしを食らった気分だ。だが勝ったことに変わりはない。勝利に喜び宝箱へ歩みを進める
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