第七話 初の戦闘
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「よっーーーこいせっ!」
『ミギャァァ!』
ブン!と一振り横に薙ぐと面白いように数体のモンスターが吹き飛ばされ、ポリゴンと散っていく。
青い破片に一瞥もくれずバックジャンプし、背後にいたモンスターの背後を取って、一突き。
「ラァッ!」
『ギャアァ!』
反撃することはおろか、背後に回られたことすら気づくことができずに最後の一体が消えた。
周囲に敵の反応がないことを確認して、リュウヤはふぅ、と息をつき得物を一振りして戦闘態勢を解いた。
「うん、やっぱりいいねぇ」
片手剣では感じられなかった、シックリくる感覚。それが今持つ武器にはあった。
「変えて正解だったな」
リュウヤは己の新たな武器ーーー片手長槍を見やり満足げに微笑んだ。
新たな武器とはいえ、使い始めて約一ヶ月近く経つ。
現在リュウヤがいるのは第十層の迷宮区だ。ここはベータテスターでさえ未知の領域となる階層だが、十分にやりあえている。
片手用直剣のままでは確実に死んでいたと実感するほどに。
「つっかれた〜」
《プラティンランス》の名を持つ槍をペン回しのごとくクルクルと回しながら、疲れを取るために安全地帯を目指す。
トコトコ歩いていると、遠くの位置からモンスターの反応が。
即座に戦闘モードへ移行し、敵の数を数え始めた。
(五………いや、七か)
だんだんと近づいてくる敵に、リュウヤは吠えた。
「いい加減、休ませろやぁぁぁ!!」
安全地帯に向かっているのにモンスターの群れに襲われる。それが今日だけで三回繰り返されたのだった。
「ん?……おっと、こりゃヤバいもんみっけたな、俺」
安全地帯に着いた後、小一時間ほど休憩を入れて再び迷宮を進んでいたリュウヤが見つけたのは宝物庫を彷彿とさせる部屋だった。
つまり、見るからに罠と思える部屋ということだ。
こんなあからさまな部屋が、単に得するだけの部屋とは思えない。絶対になにかある。
だが、それだけ見返りは相当のものとなるはず。
命をかけて不確定な報酬を取るか
命を惜しんで先の人生を取るか
「ま、悩んでも仕方ないかな」
口調は軽く、気持ちは引き締め、リュウヤはその部屋へ一歩踏み出した。
宝物庫は中々に広く、部屋の四すみには宝箱が。広すぎる空間が異様な雰囲気をまとってリュウヤに悪寒を走らせる。
すると部屋中が赤々と光り出し、部屋中央に一体のモンスターが現れる。
リュウヤとほぼ同じ体躯を持つ敵は、しかし油断ならない雰囲気を醸し出している。
リュウヤのもつ識別スキルで確認しても、レベル差はかなりあるようだ。
まるでフロアボスを相手にしている気分に陥ってしまう。
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