第148話 救出
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た。
「泉、頼んだぞ。一人も逃がしては意味がない。無理に逃げようとする者達は斬って構わない」
正宗は泉と朱里に対して言った。二人は正宗に頷いて返事した。彼女たちは兵二千の内、五百ずつ率いて去っていった。正宗は彼女達を見送った後、残りの兵を率い愛紗とともに問題の商家の屋敷に兵を進軍させた。
数刻後(一時間位)、正宗は目的地についた。商家の屋敷近辺に近づいた辺りから、正宗は兵達にゆっくり進軍するように指示を出していた。屋敷の家人に兵達の気配を察知されないためだ。屋敷の家人は寝静まっているのか、人の声は聞こえなかった。正宗に付き従った兵達は目的地についたことで、緊張した表情をしていた。彼らは事前に屋敷に黄忠の娘が蔡瑁の配下に拘束されていると説明を受けていた。皆、黄巾の乱より正宗に付き従った歴戦の兵士達である。その中でも正宗への忠誠の厚い者達であるため、肉親を誘拐し暗殺者にしたてた蔡瑁の配下に対して義憤に満ちていた。事実、兵士達は屋敷への突入は未だかと正宗に視線を向けていた。
正宗も兵士達の放つに雰囲気を察していたが、何かを待っているように時々周囲に視線を向けていた。
「劉将軍、諸葛相と満郎中令が準備が整ったとのことです」
騎乗する正宗の足元に近衛の兵士の一人が片膝を着き拱手して言った。その兵士の後ろに二人の連絡役の兵士が同じく控えていた。正宗は力強く頷いた。
正宗は双天戟を軽々と左手で持ったまま、右手で腰に指した片手剣を抜き放ち、その剣の切っ先を屋敷に向けた。
「弓兵! 火矢を屋敷に放て」
正宗は弓兵に命令した。弓兵達は全面に進み出ると火矢を放つ。彼らは正宗の指示に指示従い、二射目、三者目と次々に火矢を屋敷に放った。それを見計らい正宗は馬上から兵士達を見回した。
「蔡徳珪の配下による下劣極まりない所業を許すわけにはいかない。勇敢なる我が兵士達よ! 一人も屋敷から逃がすことまかりならんぞ! 抗う者達は斬り捨てて構わん! 屋敷を制圧するのだ!」
正宗は彼に従う兵達に向けて雄叫びを上げた。彼の声に呼応するように兵士達も雄叫びを上げる。辺りに兵士達のけたたましい声が鳴り響く。それを皮切りに剣を抜刀した兵士達が屋敷の門に向かって駆けた。兵士達は手慣れた動きで門の前で破城槌を準備し、あっという間に門を突き破り突入を開始する。
「正宗様、私も奸賊を捕らえに向かってもよろしいでしょうか?」
正宗の横にいる愛紗が言った。
「構わないぞ。屋敷にいる蔡徳珪の家臣を拘束せよ。生きて捕らえれば一番がいいが、無理なら殺しても構わん」
正宗は愛紗に言った。愛紗は「畏まりました」と頷くと馬から降り、青龍偃月刀を勢い良く振り被ると門に突入する兵達に紛れて屋敷に入っていった。
愛紗と兵
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