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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
どんな道を歩むのか
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だ」
「それは・・・多分、普通ならおかしいんだろうな」
「うん、おかしいよ。でも、私は耐えられる。もう一個言うと、お兄さんが滅びの道を歩んでいくとしても辛いとは思わない」
ヤシロはそう言うと仰向けになって、一輝の顔を見る。
「私はお兄さんのことが好きだし、これから先一緒にいたいと思うし、言っちゃえば遺伝子もほしいと思う。でもそれ以上に、お兄さんがこれから先どんな道を歩んでいくのかに興味があるの」
「どんな道を?」
「うん。このままお兄さんがこの環境の中で生きていくのか、それとも自らが抱えるものに潰されて滅びの道を歩んでいくのか、もしくは・・・一族の役目を完遂して、真に英雄になるのか」
もはや、一輝はヤシロの発言に対して驚きもしない。ヤシロならそれくらいは知っているだろう、くらいのレベルになっているのだ。それに、滅びに対して敏感であるヤシロが『歪み』をその目で見ているのだ。その本質がなんであるかを見破ることなど、造作もない。
「とまあそんな感じで。私はお兄さんのことが好き。これは本当に本音なの。でもそれ以上にお兄さんの未来にとっても興味がある。それも、本音」
だから、と。一輝の顔に自分の顔を近づけていき・・・その頬にキスをする。
「お願いね、お兄さん。私にとっても面白い物語を見せて?」
「・・・俺にできるのは、俺が思ったままに生きることだけだぞ?」
「それでいいの。お兄さんくらい考えが普通じゃない人が思うように生きれば、それは十分に面白くなるから」
ニコッ、と。再び一輝の脚に頭を戻しながら笑いかけるヤシロ。その姿はとても幼女のものであるのに、しかし妙に大人びているようにも感じられる。実際の年齢は高いヤシロだからこそ感じられる魅力だろう。
そんなアンバランスな魅力。その笑みを真正面から向けられた一輝は、さすがにすこしばかりドキッとなる。彼にも少しくらいは恋愛感情のようなものが生まれ始めているのだろうか?
「あ、そうだ。返事の方も考えてはおいてね?」
「あ、ハイ・・・とりあえず、恋愛感情をもう少しで理解できそうなので、そうすれば俺にも恋愛感情が生まれますので・・・」
・・・・・・大丈夫なのだろうか、これ。
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