巻ノ三 由利鎌之助その三
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ば、というのだ。
「せぬに限る」
「殿は殺生はお嫌いなのですな」
「武士は戦で人を殺すもの、しかし無闇に殺すことはよくはない」
「そうお考えなのですか」
「そうじゃ、人を殺さずに済めばそれでよし」
「ううむ、殿は実に」
「お優しいですな」
由利も穴山も幸村のその心を感じて述べた。
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