暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と森の狼達
第一幕その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「前のカワウソの時も思ったけれど」
「動物が絶滅するってことはですね」
「寂しいことだよね」
「本当にね」
 トミーと王子にも応えます。
「そう思うよ」
「動物が絶滅したら」
「こんな残念なことはないよ」
 またトミーに言いました。
「僕はそう思うよ」
「僕もです」
「僕もね、その動物が地球からいなくなると思うと」
 いつも明るい王子も絶滅のことを思うとです。
 普段のその明るい表情を暗くさせて。そして言いました。
「こんな寂しいことはないね」
「そう思うね。ニホンオオカミはずっといたんだ」
 日本にというのです、この国に。
「それがいなくなったからね」
「本当に寂しいね」
 皆でニホンオオカミのことを思うのでした、そうしたことも思いながら学園の中の動物園を回ってでした。
 そして、です。先生はお家に帰ってからです。 
 トミーが作った鶏肉を茸と一緒にホイルで包んで焼いたものとお野菜をたっぷり入れたベーコンのシチュー、それと和布と胡瓜の酢のものをトミーと一緒に食べて。
 そしてです、、こう言うのでした。
「トミーは奈良に行ったことはあるかな」
「奈良ですか」
「うん、あるかな」
「そういえば本格的にはないです」
 トミーは先生に答えました。
「あそこは」
「そうだね、僕もね」
「先生もですよね」
「うん、ないよ」
「行く機会があればいいですね」
「そうだね、奈良はこの国のはじまりの場所なんだ」
 先生はお箸で鶏肉を食べつつ歴史のお話をしました。
「神武天皇が九州からあそこに移ってね」
「そこから日本の歴史がはじまったんですね」
「まあ神武天皇が実在したかどうかというお話にもなるけれど」
「とにかく奈良からですね」
「日本ははじまったんだ」
 こうお話するのでした。
「そう思っていいんだ」
「それが奈良ですね」
「古墳時代からはじまって」
 そして、というのです。
「飛鳥時代、奈良時代とずっとこの国の中心だったんだ」
「長い間日本の首都だったんですね」
「そうだよ、平城京もあったから」
「あっ、平城京のことは聞いたことがあります」
 トミーは平城京と聞いてです、酢のものの胡瓜を食べつつ応えました。
「日本の本格的な中国風の都ですね」
「そうだった場所だよ」
「面白そうな場所ですね」
「そうだね、一度じっくりと回りたいね」
「はい、本当に」
「奈良は色々と巡るべき場所もあるし」
 こうも言いました。
「行きたいね、じっくりと」
「そうですね、僕もそう思えてきました」
「あとね」
 先生はさらに言いました。
「あそこはお寺も多いから」
「神社もですね」
「じっくり観る機会があれば観たいね」
「そうした場所も」
 こうしたこともお話してで
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ