踏み外した歴史編
第6話 戒斗の描く世界 @
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
斗はそれを何に使うのか」
耀子はまるで自分のことのように誇らしげに笑んだ。
「戒斗が創ろうとしているのは『弱者が踏み躙られない世界』よ」
「――どういうことですか?」
「誰かを虐げるためだけの力を求めない、そんな命でこの星を満たす。舞さんと一緒に。知恵の実を使って」
ちらりとザックを見る。彼も戒斗の目的を知っているからか、苦渋の表情で顔を伏せていた。
「でもそれじゃあ、今いる人類は駆逐されてしまいますよね。わたしも、あなたも」
「そうかもね。でも私は最後まで彼の行く末を見届ける。その上で彼の手で排除される覚悟も出来てるわ」
理解できるだけ巴はうんざりした。もし戒斗と耀子の立場が碧沙と自分なら、自分も耀子と同じ覚悟を固めることができる。本当に、うんざりする。
巴は気を取り直し、耀子に向き合い直した。
「前におっしゃいましたね。一度引き受けたことを投げ出すのは、大人の世界では無責任と言うんだと」
「ええ。その通りよ」
「わたしが『やる』と決めたことは碧沙を救うこと。それは果たされた。そう思っていました。けれど、戒斗さんのしようとしていることを伺うに、わたしはまだこの戦いを降りられないようです」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ