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ロード・オブ・白御前
踏み外した歴史編
第6話 戒斗の描く世界 @
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斗はそれを何に使うのか」

 耀子はまるで自分のことのように誇らしげに笑んだ。

「戒斗が創ろうとしているのは『弱者が踏み躙られない世界』よ」
「――どういうことですか?」
「誰かを虐げるためだけの力を求めない、そんな命でこの星を満たす。舞さんと一緒に。知恵の実を使って」

 ちらりとザックを見る。彼も戒斗の目的を知っているからか、苦渋の表情で顔を伏せていた。

「でもそれじゃあ、今いる人類は駆逐されてしまいますよね。わたしも、あなたも」
「そうかもね。でも私は最後まで彼の行く末を見届ける。その上で彼の手で排除される覚悟も出来てるわ」

 理解できるだけ巴はうんざりした。もし戒斗と耀子の立場が碧沙と自分なら、自分も耀子と同じ覚悟を固めることができる。本当に、うんざりする。

 巴は気を取り直し、耀子に向き合い直した。

「前におっしゃいましたね。一度引き受けたことを投げ出すのは、大人の世界では無責任と言うんだと」
「ええ。その通りよ」
「わたしが『やる』と決めたことは碧沙を救うこと。それは果たされた。そう思っていました。けれど、戒斗さんのしようとしていることを伺うに、わたしはまだこの戦いを降りられないようです」
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