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大陸の妖精
やさしい言葉
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たフリードは体の向きを変え、ミラの方へと飛ぶ



次の瞬間、超高速で突進を仕掛けるミラとフリードの左拳が激突した


互いの凄まじい闘気がぶつかり合い、一進一退の攻防が続く



ゴッ――という鈍い音を立て、フリードの拳がミラの顔面を打ち抜く


しかし、すぐさま体制を立て直したミラのひざがフリードの顎を蹴りあげた



互いに一歩も引かぬ空中戦だったが、フリードがとうとうミラの尻尾を捉えた



「つあっ!!!!」


力の籠った声を上げ、ミラを川の方へと投げ飛ばす


すると突如、川の水が巨大な渦を巻きはじめる



「(川の水をまとって・・・!!?どれだけの魔力なんだ!!?)」


その光景を見たフリードは驚愕の表情を浮かべる


鋭い目つきで狙いを定めたミラは、まとった川水の渦を一気にフリードへとぶつけた



「ごあぁぁっ」


吹き飛ばされたフリードをミラは頭突きで追いこむ


更に両腕に魔力を込め、無慈悲な眼光を向ける


フリードの表情は徐々に恐怖で塗り替えられ、戦意を失っていく



ミラは無言で魔力の球を放つ


爆撃音が辺り一帯に響き、魔力に呑まれたフリードの姿が徐々に消え、見えなくなっていく




「がはっ!!」


あまりのダメージに文字が剥がれて通常の姿へと戻るフリード


背に生えた翼も消え、地上へと勢いよく落ちる



「ひっ」


戦意を完全に失っているフリードは、目の前に立つミラを見て後ずさる


ミラは口元の牙を覗かせ、倒れているフリードの首元を掴む



「(か・・勝てる訳がない!!これが魔人の真の力!!)」


恐怖に顔を歪ませるフリードが体を震わせ息をのむ



「(こ・・・殺される!!!)」


ミラの振り上げられた拳がフリードへと放たれた、その時





拳はフリードの鼻先直前で動きを止める


その行為の真意が掴めずにいたフリードは見開いた目でミラを見据える



ミラは拳を納めるとテイクオーバーを解いた


悲しげな表情を浮かべ静かに口を開く



「こんな戦い・・・むなしいわね」


「勝者の驕りかミラジェーン・・・とどめをさせ・・・」


震えながらも決着をつけようとするフリードにミラは優しげな視線を向けて言う



「私たちは仲間よ・・同じギルドの仲間・・・一緒に笑って、一緒に騒いで・・・一緒に歩いて・・・」


青色の瞳を伏せ、寂しさを感じさせる笑みを浮かべるミラ



「う・・・うるさい!!オレの仲間はラクサス一人だ!!!!」



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