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東方変形葉
変化は永遠に……
終章 東方変形葉
東方変形葉60話「そして変化は続くのか」
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 あはは、まだ百人しか救えてないや。期日まであと数時間なのに。
「いったい、どうしろと言うんだよ……」
 現実世界の霊能者が思っている程妖怪が多いわけでもないのに、どうやって救えばいいのか。
 そう考えた時、ふとあることに気が付いた。
「まてよ……?妖怪はこの世界の住民にとって人知を超えた存在だ。ということは、人知を超えた現象であれば、どうなる……?」
 そして、一つの結論にたどり着いた。
「もしかして、あの神は、この後起こる天災から人々を守って見せろ、と言ってるんじゃないのか?」
 しかし、どうやって?災害が起こった瞬間に「すきまわーるど!」とか唱えて地球の住民を亜空間の彼方へ放り込めばいいのか?いや、それはめんどくさい。そもそも俺の力じゃ地球なんていう大きな星を包み込むようなことはでき……、まてよ?神が、俺の力を最大限にまで引き上げたのだろう?全く実感ないけど。
「……だったら、あれもできるよな?」
 それは、以前紫から教えてもらったこと。

『世界を救うには、どうすればいいと思う?』
 唐突に、紫はそう言ってきた。
『なにさ、突然』
『ほら、気まぐれってやつよ。あなたもよく言い訳に使ってるじゃない』
『お、おぉ。まあいいけどさ。……世界を救うには?そりゃ、大きな力を使えばいいんじゃないのか?それこそ、その世界を包み込めるほどの』
 そう答えると、紫はふふっと微笑んだ。するすると紅茶を啜り終えると、ふぅ、と息を漏らし、言った。
『そうね。だけど、その大きな力というのは、具体的にはどう使えばいいのかしら』
『う。そ、それは〜……』
 わからない。
 頭に浮かんでいたのは、どれも現実味のない不可能な方法だったからだ。
『世界は、一つだけではないのよ。今でこそ何百という世界に分かれ、外の世界の人間たちは知らないけれど、あらゆる世界と隣接しているのよ』
『ふぅん?』
『けれど、元をたどれば結局世界は一つだけなのよ。その後に勝手に分裂しただけで。それがどういうことか、わかる?』
『……すべての世界における力素が、同じ性質を持つってこと?』
 力素とは、空気中に漂う、魔力や霊力の元になる素粒子である。
『よくできました。知っての通り、力素自体は無限に増やすことができるわ』
 魔力や霊力の量が人によって変化するのは、その人の力素が入る器の大きさによって変わってくるからである。
『紫が言いたいのって、つまり―――』

「こういうこと、なんだろ?」
 両手を広げる。すると、瞬く間に空が空間の裂け目で覆われた。

接続結界「全世界力素パイプチェーン」

 その瞬間、地球の表面から淡い青色の光が漏れだした。地上では今ごろ大騒ぎだろう。
 各世界に接続された空間の裂け目から伸びる一筋の光は、すべての裂け目に
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