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ルイズが赤い弓兵を召喚
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は、ただそれだけを待つ。

 そうだ。
 私は命じなければ。
 このお人好しに。
 命令は、つまり死と別れを。
 駄目だ泣くな。
 前を見ろ。
 私の明確な意思で、こいつを戦場に送り出せ!!

「アーチャー。あんたの全力で、この戦いに勝利を」

 右手が熱を持ち、最後の繋がりが消える。

「これは……!?」

 アーチャーの威圧感に、周りが慄く。

「では、期待に答えるとしよう」

 そうしてアーチャーが何かを唄う。
 あれ?
 膝を付く。怠い。どうして。
 私は最後まで見届けなくてはならないのに。
 他の誰でもない、引き金を引いた私が。
 ああ、目が開かない。
 音が遠い。

 クスリ、と。
 アーチャーが笑った気がした。


――――――――――――


 “I am the bone of my sword.”

 何処か懐かしい戦場の音に寂しさを覚える。
 分かっている。
 何時だって、どこにだって争いはある。

 “Unknown to Death.Nor known to Life.”

 けれど、今この世界が、少女の平穏を乱すなら。

 “■■■―――unlimited blade works.”

 その世界には、暫しご退場頂くとしよう!


――――――――――――


 大気に火花が、下には赤い大地が、空に無数の歯車が、大地の上には数えるのも億劫な剣群が。
 この時、ハルケギニアと言う世界の一部は、そこから切り離された。

 固有結界『unlimited blade works』

 特別なチカラを持たない一人の男が、生涯をかけて辿り着いた到達点。
 世界を侵す大禁呪。

 城へ砲撃していたフネも、乗り込もうとしていた兵も、死へ走ろうとしていた者達も、城さえも。

 例外など許されない。
 全てを此処に。

 今の彼だからできる、いずれ死に行く一を救う(・・)この戦い。
 かつて『彼』が願い、しかし決して許されなかった、その想い。
 正しく英雄と呼べるはずのそれ。

 惜しむらくは、今の彼には結局――

 男の右手が上がる。
 この世界に、王はただ一人。
 剣は王の命により、大地を離れ空に浮かぶ。
 敵の混乱も味方の困惑も関係ない。
 王は剣を鍛ち、剣が人を討つ。



 そうして奇跡は成った。


――――――――――――


「アーチャー殿」

 ウェールズからの出た声は、自身が思うより小さかった。
 目の前の赤い外套の男は、宣言の通り、事を成した。
 あれほど感じた力強さは既になく、よく見ると、足下から少しずつ消えて行っているようだった。

 いった
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