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を遣い過ぎだ。
お人好し過ぎて上手く生きて行けるのか心配になる。
あ、もう死んでいたっけ。
――――――――――――
「結婚式?」
「ああ。僕と君の」
ワルドの言葉は聞き間違いでは無いらしい。
急に連れられ来てみると、ウェールズ皇太子を前に、彼から出て来た言葉が「結婚しよう」である。
ちょっと待て。
「ごめんなさい、ワルド。少なくとも今、私は誰とも結婚するつもりはないの」
そこから先はあっという間だったように思える。
ワルドのしつこい求婚を跳ね除けると、急に変貌した彼は驚くべき事実を口にしたのだ。
彼がこの旅に同行した真の目的は三つ。
一つは私が持つという特別なチカラ。
一つは私が回収した手紙。
そして最後に……。
ワルドが素早く杖を抜き、殿下に向ける。
彼についた呼び名は『閃光』。
その名に恥じぬ速度で詠唱を済ませ発動した魔法は
「生憎だが、この程度の魔術は効かなくてね」
実体化したアーチャーに当たり霧散した。
「さようならだ、子爵」
一閃。
アーチャーは躊躇いも慈悲も無く、裏切り者の首を刎ねた。
「ルイズには思うところがあるかもしれんが、経験上、この手の輩は生かしておくと面倒になることが多いのでね」
え、あ、うん。
ちょっと待って。
今私吐きそうなの。
「怪我はないな?皇太子殿」
「あ、ああ。お陰で擦り傷一つないよ」
耐えるのよ私。
ここで戻したら私の心に傷がつく。
「しかし良かったなマスター。ワルドによれば、君には特別なチカラが有るらしいぞ。私の元居た場所なら、標本にされるかもしれなかったな」
くつくつ笑う使い魔。
もしかしてそれ、私に気を遣ってるつもりなんだろうか。
どこに笑える要素があったのよ。
あとその『良かった』ってのはチカラの方のことよね?
――――――――――――
「そう言えばあんた、魔力は大丈夫なの?私今全く疲れたりして無いんだけど」
あの後。
私達はここから脱出する為フネに向かっている。
余り時間が無いらしいので、案内見送りは遠慮した。
「問題ない。以前私が言った事を覚えているか?学院ではだるくなったりしないだろう、と」
ハイハイ覚えてますよ。
「ゴーレムを倒した時の余剰魔力でちょっとした礼装を作ったんだ。大気にある極微量の魔力や、君達メイジが無意識のうちに放出している魔力を吸収し蓄える、非常にエコな物を。学院には多くのメイジがいるから都合がいい」
エコって何?
「どれくらい?」
「最低限の戦闘なら可能な程度まで蓄えている」
あれ?
でもどうやって今は魔力
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