第六十九話「選んだ禁忌」
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はっ……狂った発想だな……残骸とは言え、人だったものを喰う? 感染者じゃあるまいし……」
そのまま立ち去ろうとしたが、どうしても今の考えが頭から離れない。
適合者の硬化片や血肉を喰えば、一番手っ取り早くコープスを補給できる。
しかし、人間としての理性がそれを邪魔する。
………何を迷う必要がある。
仲間を助けるためだ。
こいつの死骸を喰えば済むことだ。
気づけば、ブランクの手にはコープスの硬化片とレオの死肉が握られていた。
自分で引き千切ったものだと、少し時間を置いて気づく。
「ははっ……感染者と変わらないな…」
自嘲気味な乾いた笑い。
握る手の隙間から流れ落ちる赤黒い血。
躊躇いは、既に消えた。
化け物でも構わない。
仲間を守れるなら。
…………………力を寄越せ。
赤黒い死肉と、硬い硬化片を噛み千切り、咀嚼することなく飲み込んだ。
飲み込んだ瞬間、ブランクは後悔した。
開けてはならない、パンドラの箱を開けてしまった。
強力無比で、制御不能。
人間の理性が、化け物の本能にすり潰される。
…………………………………………
………………俺は、何をしている?
……………何をしようとしていた?
………………………俺とは、なんだ?
俺は、化け物……
違う。
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う。
俺は人間だ。
俺は人間だ。
俺はニンゲンだ。
オれはニンゲンだ。
………にんげんってなんだっけ?
人間? ニンゲン? にんげん?
化け物?
どうでもいい。
どっちでもいい。
あイツを殺せレば、どうデもいイ。
そうだ、殺せ。
喰い殺せ。
喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰い殺せ喰
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