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スレンダーマン?がダンジョンに潜るのは間違っているだろうか
第三話
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ああ、そうだ。少年・・・ベルさんでいいんですかね?これを落としていましたよ。」

魔石袋を取り出し差し出す。少年、ベル・クラネルは一瞬呆けた顔をしていたが、それが何かを理解し、顔を青くさせる。

「そ、それはどこに落ちていたんですか?」

「あの大広間に落ちていましたよ。あの化け物に追いかけられたときにでも落ちたのでしょう。」

あの美少女から逃げ出したことは言わないでおこう。もし私が彼の立場だったらこの場では絶対に言われたくは無いだろう。

「あ、あ、あ、」

「あ?」

「あ、ありがとうございますっ!これがなかったら僕はもう・・・」

急に立ち上がり、上半身が折れそうなほどのお辞儀をされる。よほど切羽詰ってるのだろうか。

「いえいえ、そんな大したことじゃあありませんよ。たまたま拾っただけですし。」

「本当に助かりました!ありがとうございますっ!」

「頭を上げてくださいベルさん。そんなぺこぺこしてたら色男が廃れちゃいますよ。」

「でも・・・」

そんなに謝られると逆に申し訳なくなるものだ。それも自分よりも年下の少年に。
私はしゃがみ込みベルさんと視線を合わせる。もっとも視線があるのか疑問だが。

「まあ、今度また食事でもしに行きましょう。同じ新人同士仲良くしましょうよ。」

「それでは、野暮用がありますので私はこれで。」

そう言って私は立ち上がり出口を目指す。背後から聞こえてくる「ありがとうございました!」というう声に左手を挙げて答え、私はギルドを後にした。



行きと同じくゆっくりと帰る。今日の稼ぎは二五〇〇ヴァリスだった。Lv1の五人組パーティーの稼ぎが一日二五〇〇〇ヴァリスらしいので、初日にしては上々なのだろうか。

食事を済ませたり武器の手入れをしたりしてホームにたどり着いたのは丁度日が落ちる寸前だった。
中に入りリビングを見渡すと誰もいない。どうやらヒルコ様より先に帰ってきたようだ。
ソファーに腰掛け一息つく。ここ数日はあまりにも色々なことが起こりすぎてリラックスするのは久しぶりな気がする。
やわらかいソファーのすわり心地のよさに、私の意識は現実を手放し、闇へと呑まれていった。




──深夜のバイパスに雷とも紛う轟音が鳴り響く。ヤスは愛車のスロットルを精一杯引き絞っていた。彼の後ろには同じく珍走仕様のバイクに乗った荒くれ者の舎弟達がいたものの、一人、また一人と謎の糸のようなものに絡めとられ、走っているのはとうとうヤスを残すのみとなった。
ヤスは考える。何が拙かったのかを。能力をいいことに地元の族を乗っ取り吸収し調子に乗ったことだろうか。それともヤクザの事務所にカチコミをかけた挙句放火したことだろうか。挙げるときりがない。

「全
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