第一話『シンデレラ始動』
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ぅ、優しすぎるよ…みほちーは…」
未央ちゃんはそんな彼女の優しさにポロリと涙が出てきそうになるが、周囲から送られてくる冷たい視線にうっと息を飲んだ。
「未央、行き成り抱きついて美穂に迷惑かけるんじゃない」
「そうだよ! それに美穂ちゃんとは私が話していたんだから…」
「う…、何か酷い事言われてる。まぁ、私が悪いんだけど」
だが、そこに私と凛ちゃんの非難や怒りの言葉が放たれ、未央ちゃんの心を抉っていく。
そのダブルパンチに力なく床の上に倒れ込む未央ちゃんの姿に皆から笑い声が生まれる。
「すみません、皆さん。遅れてしまい…」
「わ、私は戦場になんて行きたくないのに…。唯、ダラダラしていたい…それだけなのに」
行き成り入口の方から申し訳無さそうな声が聞こえてきた為に振り向く。そこにはキャリーベースの副艦長である千川ちひろさんと彼女に引き摺られてきた小さな少女―双葉杏ちゃんが拗ねたような表情を浮かべていた。
二人の髪は乱れて、身に纏っていた衣服の彼方此方に皺が寄っていた為に、何があったのかと一瞬考えてしまう。
まぁ…、面倒くさがり屋な杏ちゃんが「戦いたくなんかない…」って小さな子供みたいに駄々を捏ねていた所をちひろさんによって無理やり連れてこられたのだろう。
「皆さん久しぶりですね、キャハッ!」
「未央ちゃん…大丈夫?」
ちひろさん達が室内に入ってくると次に 菜々ちゃんと美羽ちゃんが姿を見せた。
奈々ちゃんは私達を視界に映すと同時に声を掛けてくる。美羽ちゃんは未央ちゃんを心配そうに眺めていた。
奈々ちゃんもまた昔から一緒に戦っている仲間で、美羽ちゃんはアーニャちゃんと一緒で『PORTABLE』時代から共に旅をしてきた戦友。
因みに杏ちゃんは操舵手で、美羽ちゃんが整備士。 菜々ちゃんがオペレーターや医師などの残りの役割を担っている。
「では、全員が集まった所でこれよりアプロディアから授かった指令やこれから私達が行動する上での目的などを説明していきますので、席について下さい」
私がその事を考えていると、ちひろさんの大きな声がブルーフィングルームの室内に響き渡り、皆が其々の席についた。
昔一緒に戦っていた残りの仲間―楓さんや藍子ちゃん、茜ちゃん、みりあちゃんの姿がどこにも見えないんだけど…。
私はその事に不安になり、右隣の席に座っていた凛ちゃんと顔を見合わせた。他の皆もそわそわと話し合っている。
楓さんはカリスマ性があり、統率力や指揮能力も高かった為にアメリアス事件まで艦長を務め、私達を勝利へと導いてくれた。
その組織の中心とも言える存在である楓さんの姿が見えなかった事が理由で、皆が不安そうな表情をして話し合うのは理解できる。私
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