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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
45 自分と向き合うこと
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を逃した。そしてあなたは銃火器を携帯した傭兵の巣に蜂の巣になる危険も顧みずにメリーの救出に向かった。彼女も自分がいじめの対象になることを承知であなたの味方に立った」
「違うね。僕に魅力が無いから、どうでもいい人間だから、皆、ストレスの捌け口にサンドバッグにしていたんだろう?」
「嫌われる、疎んじられる、自分から何もアプローチをせずともそんな仕打ちを受ける。その原因の大半はその人間に劣等感を感じることから生まれる。エスカレートすればそれは暴力へと変わり、自分たちの価値を証明し続ける習慣へと移り変わっていく。あなたが苦しむことで安心する人間のクズへと」
「僕の落ち度はどこにあったんだろう…」

彩斗は爪を噛みながら、目を逸らす。
その様子はハートレス、メリー、アイリスの誰の目から見ても、彩斗がかなり動揺していることを確信させた。
いつもの彩斗なら顔色を変えずに流そうとする。
何かしていないと落ち着いていられない程、動揺するのは珍しい。

「あなたに落ち度なんてないわ。勝手にあなたに劣等感を抱いて、勝手に矛先をあなたに向けて落ちていったゴミクズとそんなゴミクズが怖くてあなたに手を差し伸べられなかった腰抜けだらけだったというだけのつまらない話よ。そしてそんなことはあなたが気にする必要もない」
「……」

「結局、何が言いたいかというと、あなたは自分が思っている以上に優れた人間。でもその魅力は一部の人間に忌み嫌われることもあれば、人生を狂わせるくらいに惹きつけてしまう。だから気をつけなさい、あなたの何気ない振る舞いで影響されてしまう人間もいる。誰にでも優しくするのが、常に正しいこととは限らないわ。もっと自分と内面と外面を客観的に見た上で向き合う時間を作ることね」

彩斗は烏龍茶を啜る。
結局、彩斗は自分自身について考えることも無ければ、知ろうとしなかったのだ。
自分自身が人を狂わせる程の魔性を持っており、それを無意識に振りかざしている。
それがミヤだけでなく、メリーやアイリスおも巻き込んでしまうと思うと背筋が凍る。

「まぁ、何にせよ、あなたはもっと自信を持っていいってこと。その上で他人に接すればいい」
「…ホントに珍しいね、君が僕を励ますようなことを言うなんて。本当に雪だね、明日」
「別にあなたがやたらと自虐なのか、本当にそう思ってるのか、謙遜し過ぎるから腹が立っただけよ」

「でも本当にそうですよ!もっと自信を持って下さい!」

メリーは下を向く彩斗を励ます。
彩斗は嬉しい半面、誰より自分が一番、自分のことを知らなかったという事実にため息が出そうだった。
誰よりも自分のことは分かっているつもりだった。
だが本当は心の何処かで自分のことを知るのを避けていたのだ。
自分の素性も何も分からない、考えても仕方ない
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