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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
45 自分と向き合うこと
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か」
「ヘンゼルとグレーテル?童話ですか?」
「クラッカーの名前だよ。昔、少しだけやり取りしたことがあるんだ。しばらく見なかったから、てっきり捕まったのかと思ってたけど」
「WAXAの分析官として徴用されてたってわけですか。相変わらずWAXAっていうのは、半グレみたいな人ばっかり逃げ込むんですね」
「まぁね。でも中々、可愛い顔してるじゃないか」
「…私とどっちが可愛いですか?」
「…もちろん、メリーだよ。ただし笑顔ならね」

彩斗はムスッとして餅のように膨れていくメリーの柔らかな頬を指で突きながら、微笑んでみせた。
するとメリーは今度は顔を赤らめる。

「もう…反則ですよ…でもアイリスさんの方が…」
「気にし過ぎだよ。そんな人によって好みは違うんだから、自信を持っていい。僕の妹でいいのかってくらいメリーは可愛いよ。もちろんアイリスも」
「…そんな私が…可愛い….」

「あなた…そんなことを誰彼構わず言いふらしてるんじゃないでしょうね?」

メリーとアイリスを褒める彩斗に口に豚肉を含んだハートレスは冷ややかな視線を向けていた。
彩斗は今までの経験から自分は能力も容姿も最低な部類の人間だと思い込んでいる節があった。
それ故に周りの全ての人間に自分を過小評価して褒める悪癖があった。
だがそれは大きな間違いで、彩斗は少女のように美しい顔立ちと高い学力、思考力、運動神経、様々な分野に対する才能を兼ね備えている。
それに気づかずに誰彼構わず褒めちぎることは、思いもしないところで嫌味に思われたり、恨みを買うことに繋がりかねない。

「…そんなことはないけど」
「悪いけどあなたにそんなことを言われたら、勘違いする女の子なんて世にはザラにいるんだから。知らないところで人生を狂わせるかもしれないわ」
「まさか」

「いい?あなたはあなたが思っている程、容姿に恵まれていない人間でもなければ、無能な人間でもないわ。まず自分を知ることね」

「自分を知る…?」
「あなたは人の心を読むことは得意でも、自分にはまるで興味が無い。きっとあなたの魅力に心奪われている人間はメリーとアイリスだけじゃないわ。例えば、私に見舞いに行かせたあの娘、あの娘がただの親切であなたに近づいたとでも思うの?」
「……」
「学校で1人、孤立してほぼ全員から目の敵にされている人間を助ける?自分だって同じく辛い目に合うことは、いくら中学1年生、13歳程度の脳みそだって容易に想像がつくでしょう?」
「ミヤは僕に魅入られていたとでも言うのかい?学校全体から嫌われていた僕に…」
「今までの彼女の行動を聞く限り、否定できる要素は見当たらないんじゃない?あなたとメリーも似たようなものよ」
「……」
「メリーは自分の命が危ぶまれることを承知で囮になってあなた
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