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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
45 自分と向き合うこと
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だがこの時、ようやく彩斗は気づく。
メリーは平気そうに振舞っているが、自分と同じで何か吐き出したいのに溜め込んでいるものがある。
そもそも普段は兄妹であることを意識させないように「サイトさん」とあくまで彩斗のネットナビとして振舞っているのに、先程からは「兄さん」と妹として振舞っている。
これは兄としての彩斗を頼りたい、甘えたい、話を聞いて欲しい時の振舞いだ。
メリーは滅多にこんな顔を見せない。
彩斗は自分の迂闊さを実感した。
自分が抱えているものを吐き出すので精一杯になっていて、気づけなかったのだ。
浴室に連れて行かれる最中、彩斗は自分の未熟さに怒りを覚え、唇を強く噛んだ。




















「おい!っくそ!!手荒に扱いやがって!!」
「マヤちゃん…まだ子供なのよ。丁寧に扱ってあげて!」

「留置所では女だろうと子供と扱いは皆同じだ!入れ!!」

マヤとヨイリーはそう言い放たれ、牢に入れられる。
持ち物は全て没収された。
鉄格子から看守の机の上に置かれているのが見える。
身分証、財布、交通ICカード、ロッカーキーとルームキー、頭につけていたカチューシャとトランサー、支給されていた端末のNexusと私物のAQUOS ZETA、USBフラッシュメモリー。
そして一般の隊員に支給されるREGNO・ソーラーテック ダイバー、定期的な電池交換の他、自動で時間のズレを修正する電波受信機能、20気圧の防水性能、時間の経過を一目で確認できるダイバーズベゼルを搭載していながら価格はお手頃というニホンメーカーの技術力の高さを感じることのできる一品だ。
決して高い=性能がいいというわけではない。
低価格で性能が高いものを世に出せるということの方が高く評価されるべきなのである。
対し、ヨイリーの所持品はトランサー、財布、白衣、ピンセットと導線、研究室へのキー、ハンカチ、iPhone、Cyber-Shot WX、USBフラッシュメモリー2本、SDカード4枚、CITIZEN・エクシード エコドライブ。
さすがに眼鏡までは没収されなかったのが、せめてもの救いだった。
だが不思議なことにもう1つトレーが用意されており、そこにも没収品が並んでいる。
見渡す限り、他の牢には誰もいなかった。
マヤは看守の方を睨みつけながら、中指を立てて舌を出した。

「ったく、これからどうするか…」
「シドウちゃんがうまくやってくれることを祈るしかないわ」
「残念ながらそう言ってもいられないね。何とか抜けだして、木場の悪事を暴露してやるんだ。姉ちゃんと笹塚だけじゃさすがに頭数的に少な過ぎる」

マヤは鉄格子に一発蹴りを入れた。
当然ながら傷ひとつつかない。

「…だったら、チャンスか
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