序章1 出会い
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もあってか、クトラ族と拮抗しているのが現状だ。
それにジュテ族は良い顔をせず、冷えた関係が続き、サカの遊牧民族の中で派閥が出来つつあった。
「サカも一筋縄じゃいかないんですね」
「まあね………」
そんな中、リキア同盟の結束力は凄いと思う。小さい時1度、親父と母の知り合いと言うフェレの公爵家の城に遊びに行ったことがある。
そこではフェレ侯エリウッド以外にオスティア侯そしてリキア同盟の盟主ヘクトルも居た。
エリウッドとヘクトルは互いに幼馴染で唯一無二の親友。フェレとオスティアの繋がりの強さこそリキア同盟の強さを物語っていると俺は思っている。
「着いたよ」
「わぁ………」
俺の家………天幕だが、初めて見るのかセリアは目を輝かせて中の様子に見入っていた。
この天幕はただ円状に広がっているだけではなく、それぞれ部屋が出来るようになっており、寝る際はそれぞれの部屋で寝る。故に天幕も広く、初めて来た人も特徴さえ言えば直ぐに見つかるだろう。
「良いお家ですね………」
「別に気を使わなくていいぞ?」
「本心ですよ。草原の風に揺られながら自然と共に生きる………素晴らしいと思います」
「そ、そうか………」
自分の思っていた反応と違っていた為少々戸惑ってしまった。
「どうしたのですか?」
「い、いやぁ………田舎っぽいとか時代遅れとか言われるかなって思っててさ。俺はこの生活が気に入ってるけどやっぱりエルトリアの様な貴族の豪華爛漫な生活に憧れる奴はいるし………」
特にサカ以外から人が集まるこのリオル族ではそう思う人間は少なくない。
「私はこっちの方が好きです。私の故郷も自然溢れる地でしたから………」
「故郷?どんなところだい?」
「そ、それは………」
そう質問すると困った顔で口籠ってしまった。
(しまった、何か聞いちゃいけなかったか………)
「ふぅ………ん?何か気まずいな。愚息が何か気に触ることでも聞いたのか?」
「い、いえ………」
「愚息言うなっての!!………まあ確かに俺が悪かったけど」
だけど親父が来てくれて助かった。親父の冗談で気まずかった空気もだいぶ和んだようだ。
「おっと、それは兎に角ゼオン、悪いが今からジンとティエナを連れて来てくれ」
「ジンとティエナを?どうして?」
「いいから、さっさと行く!」
「うおっ!?わ、分かったよ、ったく………」
背中を押され俺は舌打ちをしつつ天幕を出て行った。
「さて、君に幾つか聞きたいことがあるんだが………」
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