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ファイヤーエムブレム 疾風の剣士
序章1 出会い
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だ。そんな緊迫した状況で変に火種を巻くのは良くないからね。気絶に止めておいたよ」

そう言って親父は3人の男を木に縛り上げた。
わざわざ入り口付近まで運んだのだ。誰かしら気がつくだろう。

「だけどこれがベルン兵か………」
「なんだ、気づいていたんじゃないのか?」
「いや、親父が殺さずに気絶させたから俺も合わせた方が良いと思っただけだよ」
「なるほどね………」

そう呟きながら親父は入り口の木に止めていた馬の縄を解く。

「お前にしては上出来だ」
「お前にしてはってな………」

少々納得出来ないが、渋々親父から馬を受け取った。

「あっ、悪いけど君は零治の後ろに乗ってくれ。馬が2頭しか無いんだ」
「い、いえ!むしろありがとう御座います。助かりました。……私セリアと言います」
「セリアちゃんか。私はアルス。こっちが愚息のゼオンだ」
「誰が愚息だ!!………ゼオンだ。よろしくセリア」
「はい、よろしくお願いします」

「よし!互いに自己紹介も終えたし、1度集落の方へ移動しよう。また増援でぞろぞろ来られても厄介だしな」

親父の提案にセリアも頷き、俺達は帰路に着いた………







「よし、何とか日が暮れる前に着けたな」

馬に揺られて1時間ほど。
それほど遠く無い場所に俺達の集落はあるが、馬に乗り慣れていないだろうリーンを考慮して進んだ。

「ここが俺達、リオル族の集落だ」
「ここが………?」

不思議そうにそう呟くセリア。

無理も無いだろう。
リオルの部族は他の部族と比べてまだ新しい部族である。
サカで唯一都市と呼べるブルガルに近い影響もあり、生活する人間の半分がサカ以外からやって来ている珍しい部族だ。
更に他の部族とは違い広範囲に遊牧生活をせず、近くの山周辺を遊牧する変わった生活をするのも特徴だ。
故に天幕のようなテント生活を行う他の民族に比べ、俺達リオル族はある程度拠点を転々とする生活をしていた。

「だから大きくはないですが、簡易的な家があるんですね」
「サカ出身者じゃない人だとこっちの方が安心するだろ?」
「なるほど………」

馬を馬舎に置き、歩きながら説明する。
親父は家に案内するように言い残し、そそくさと族長のテントへと向かった。

「でもこんな特殊な生活をしていると他部族から反対は無かったのですか?」
「それはまあね………結構訳ありの人も多いし、新参者には結構厳しいからサカの遊牧民は。クトラ族が擁護してくれるからかなりマシになったけど、最初は風当たりが悪かったし、1番大きいジュテ族とは未だに冷めた関係だし」

ジュテ族とはサカで一番規模の大きい部族で、実質サカのリーダーとも呼べる。しかしクトラ族にいる『灰色の狼』のダヤンの存在
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