序章1 出会い
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に持っていた杖を掲げる。
「ライブ」
温かい光が傷口を包み込む。すると開いていた傷口がみるみる消えていった。
「これは………!!」
「回復の杖です。これで傷は取り合えず大丈夫です」
「ありがとう、助かったよ」
初めて受ける回復の光に驚きつつ、お礼を言う。
そう言うと女の子は照れたのか顔を俯いてしまった。
しかし運が良かった。3対1で相手が手練れの状態ではどうしても不利な状況は変えられないと思っていたが、回復する手段があれは多少はそれも覆るだろう。
それに………
「………面倒だな、これ以上時間をかければゼハード様に何と言われるか分からん。ここはさっさと3人で奴を殺してさっさと連れ帰るぞ」
「そうだな」
「ちっ、分かったよ」
そう言って3人それぞれ武器を構えた。
確かに彼等相手では3対1じゃ勝機は無いだろう。
だが………
「俺の勝ちだ」
そう確信した瞬間、後ろの茂みから一番頼りになる人物が現れた。
「親父遅えよ………」
「お前が馬を置いてさっさと行くからだろうが………まあいい、多勢に無勢のようだから手伝ってやるよ」
「なら槍と弓の男を頼む」
「了解」
なんとも余裕な様子軽く答える親父。一応2対1で1人は弓と不利な条件が揃っているが、恐らく分かった上で即決だろう。
だけどそれでも相手が可哀想に思える。
「1人増えようが大して変わらない。お前達親子を殺して女を連れ帰るだけだ」
「………何の目的かは知らないが嫌がっている女の子を無理矢理連れ去る所を見過ごせない。それと俺はともかく親父はかなり強いよ?」
そう言った瞬間激しい金属がぶつかる音と強い風が吹き抜けた。
「がああっ!?」
槍を持っていた男は持っていた槍を斬られ、更にバツの字に鎧を斬られ仰向けに倒れた。
「なっ!?」
斧を持っていた男の表情が変わる。
「ドルガー!?」
弓を持った男が慌てて倒れたドルガーの元へ駆け寄る。
「そんな………一撃で………いや2連撃か……?しかし一体いつの間に………」
倒れている男を観察しながらそう呟く。
「次はお前だな」
「………舐めるな!!どんなに速くても剣の届かない所から矢を射れば!!」
男はドルガーから離れながら流れるような動きで矢を射た。狙いは確実で真っ直ぐ親父の心臓めがけて飛んでいく。
動きながら矢を射る。遊牧民の多いサカの民族のような動きだった。
「へぇ………」
親父は感心した様な声を上げながら剣を振り、矢を叩き落とした。
「なっ!?」
相手は驚いてその場に立ち尽くしている。
無理もないだろう。距離があればまだ出来るものも多いだろうが、距離の近い場所から射た矢を叩き落とす事
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