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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
8.それは男のロマン
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アの飛行船が辿り着くより前にな!!真に仕えるべき主が誰なのか、はっきりさせてやろう!!』
『ふん、それこそ杞憂と言うものだ。クリスタルごときで我らの立場が動いてなるものか!取るに足らぬ連中の世話など、それこそ取るに足らぬ連中に任せておけばよい。私は嫌だぞ、ファミリアを派遣するなど。お前らで勝手にやっておれ!』
『ワタクシも興味ございませんわ……もう帰ってよろしいかしら?今日は髪の手入れがまだですの』

 誰も、ノルエンデに住まっていた無辜の民の心配などしていない。
 そこにあるのは、自尊心ばかりが膨れ上がった神々が如何に正教に対抗するか、あるいはしないのかを延々と語っているだけだった。

 結局、余りにも建設性のない会議にしびれを切らしたロキが「ウチらが行くわ。誰か文句あるか?」と威圧的に叫び、ロキ・ファミリアがノルエンデ調査に向かう事が決定した。ロキ・ファミリアはオラリオ内でもトップクラスの実力者が揃っているし、アンチ・クリスタリズム思想こそないものの余計な真似をするような神でもない。腹の探り合いをやっていた他の神々にとっては都合のいい神でもあった。
 ロキ自身、あの光が気にかかっていたのだろう。その日のうちにロキ・ファミリアはオラリオを立ってカルディスラに向かった。

「ま、それは君たちが気にしてもあまり意味のないことだ。………今日こそは、無理しないようにね。君たちの身に何かがあったら、ボクは今度こそ立ち直れなくなっちゃうよ」
「はいっ!一歩ずつ堅実に行きます!」
「同じ轍を踏む訳にはいかんからな。任せておけ!」
「うむ!良い返事だ!!………あ、ボクはちょっと用事があって何日か教会を空けるからその辺も含めてよろしく!」
「あれ?どこか行くんですか?」
「ふむ………察するに、ガネーシャ・ファミリアの開く『神の宴』という奴に参加するのか?」
「え、何でそれを………ああ、日記かい?」
「プラス、女性との会話で聞いた」

 前髪を指でなぞりながらフッと笑うリングアベル。Dの日記帳には本当に色んなことが書いてあるな、とヘスティアは感心した。まぁ、ノルエンデに関する事は鵜呑みに出来ないかもしれないが、それにしても彼は日記帳にずいぶん助けられてると見える。
 今の所ベルにはその存在をちゃんと知らせていないが、もう少し様子を見よう。未来の情報など多くの人間に知らせるべきことではない。特に押しに弱そうなベルはすぐにボロが出るだろう。いつかは話すが、もう少し成長してからにしたい。
 ベルは事情が掴めないのか不思議そうに首をかしげている。
 
「日記……?って、先輩が時々読んでるアレですか?時間が空いたらいつもパラパラめくってますよね」
「ああ、そのアレだ。そのうち教えるさ。構わないか、女神ヘスティア?」
「ん………そうだねぇ
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