六話
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「……すまん、少し取り乱した」
「(いや、あれ一寸どころじゃないわよ!? )」
愚痴を言ってから落ち着いたのだろう、神の一言にステラが心のなかで叫ぶ
「でもさ、そんな人達にもさ、いいところがあるんだよ」
彼らはこう言った……
ー俺らが思う強さの秘訣は諦めない事だー
『いいか? 才能は人それぞれだ、人と同じ才能が無いだけで諦めるのは只のバカだ、自分の才能を見つければいい』
『大切なのは"想い"……その"想い"が強ければ強いほど力で壊せない壁は絶対に壊すことが出来る』
『出来ないのが恥? 下らない、"やらないのが恥"だ、才能がないだけで諦めろ何て言う奴は只の屑だ、聞く耳持つな』
『『『神、もし何もしないで諦めている奴がいたら、絶望している奴がいたら言ってやれ、"諦める前にやってみろ"ってな』』』
「その時決めたんだよ、才能がないだけで諦めている人達に"人は諦めなければ何でも出来るんだ"……って、教えたい、その為には七星剣王になって見せなきゃならないんだ」
「それが、あんたの"夢"?」
「無謀だと思うか?」
図星だった。ステラは気まずそうに顔を曇らせる
神の願い。それは……とても素晴らしいものだとステラは感じた
しかし……実現できるものかと言われるとー
「あ、別に言わなくて良いよ、自分でもまず難しいと思うし。でもさ、ヴァーミリオンさん。貴方は諦められない夢があるとする。でも他人がこぞって『お前には無理だから諦めろ』と言ってくる。さて此処で問題です。"そう言われて貴女は素直に諦めますか?"」
「あー」
瞬間、ステラの瞳が見開かれた
「……ふふっ。あははっ」
そして大きな笑い声を上げた
「ええ、そうよね。諦めない。大火傷したって諦めてやるもんですかっ」
ステラは思い出したのだ、自分もかつてそうだったと
「そうよね。叶う叶わないとか考える意味がない、やらないで諦めるなんて出来ない」
「才能が有ろうと無かろうと、周りからどれだけ無理だって言われようが、自分で自分を諦める理由にはならない。特に俺達はな」
「アタシ以上の負けず嫌いがいるとは思わなかったけどね……完敗だわ、本当のアンタを見ていなかったんだし」
ステラの言葉には何処か清々しさすら感じる
「じゃあ、改めてよろしく、ステラ・ヴァーミリオンさん」
「ステラで良いわ、アマチ」
「なら俺も名前で呼んでくれ、ステラさん」
「良いわ、よろしく、シン……てか呼び捨てで良いわよ?」
「……癖何だよ、何でかさん付けしないと落ち着かない」
そう言いながら二人は握手した
丁度その時、寮のチャイムが鳴った
それは八時を告げる合図だ
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