怪物祭 1
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ソードスタッグなどのモンスターだ。なら、その辺の物でなんとかなる
メインストリートを駆けながら俺は辺りを見回した。
すると、ちょうど道の脇に長い木の棒を発見した。どこかの屋台がモンスターに壊されたその残骸の一部なのだろう。ありがたく使わしてもらう。
「【騎士は徒手にて死せず】」
魔力を練り上げ、詠唱を紡ぐ。
超短文詠唱
思い起こすは円卓の騎士の一人。
罠に嵌められ、丸腰であってもなお、勝利した騎士
「【ナイト・オブ・オーナー】」
体から瘴気の如く溢れ出した闇は、俺の腕を伝い、その先、先程拾った木の棒を包み込む。
その闇がやがて溶け込むかのようにして消え失せると、俺の手に残ったのは赤黒く変色したもう木とは思えない棒だった。
「さぁ、いこうか」
ーーーーーーーーーー
「…ぁあ……」
『グゥァ……』
ここは東のメインストリートとはことなる北のメインストリート。
少女は目の前の存在から目を離せないでいた。
いや、目を動かすことさえ出来ない。
『バグベアー』
ダンジョンの十九階層から出現するこのモンスターは、ミノタウロスには力と耐久で劣るものの、その巨体に似合わない敏捷をもって獲物を追い詰め、八つ裂きにしてしまう。
対して、少女は一人。それも、冒険者ではない一般人だ。
敵うはずがない。
自分などすぐに殺され、餌となってしまうだろう。
逃げなきゃ……
そうしなければ死ぬ。
そう頭では分かっていても、体が思うように動かない。
『グゥゥ……』
口から涎を垂らせたモンスターは間違いなくこちらを狙っている。
もう、無理だ
『ガワゥァッ!!』
「誰か……っ!!」
いよいよ、襲いかかってきたモンスターに、少女は目を閉じ、助けをこう。
もう数瞬後には自分の命はない。
涙を流した少女は体を抱き、強張らせた。
と、そこに
光る何かがもを蹴り飛ばした
「フッ、熊くん。僕を無視していくなんて、あまりにも寂しいじゃないか。 こんなにも美しいこの僕がいるというのにね」
「……えっ?」
少女が目を開けると、そこにいたのは一人のエルフ
ただし、ものすごく光っている。
『グルルル……』
「フッ、ようやく僕を見てくれたね。ああ、モンスターの視線まで集めてしまう僕の美しさには本当に困ったものだね」
やれやれ、と肩をすくめたエルフの男はそのあと、フサァッ、と前髪を払った。
「まぁ、それほどまでに僕に見とれてくれているんだ。相手にしてあげるのも吝かではないよ」
モンスターは先程の攻撃で警戒しているのか、男ーーエイモンドが一歩踏み出すと体勢を低くして構えた
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