怪物祭 1
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ア。 恥ずかしいから……」
「いいじゃないか、ハーチェス。折角なんだから」
顔を赤らめているハーチェスさんの隣で、バルドル様が面白いものを見るようにニヤニヤしながらそう言った。
主神の言葉に、うっ、と言葉を漏らすハーチェスさんだったが、やがて目を背けながらもパクッと差し出されていたクレープに口をつけた。
リリアさんのテンションがマックスになった!
「……なんだあれは」
「ヒルさん、言わないで。 俺も甘すぎて苦しいですから」
「……」コクリ
「フッ、そんなことより、僕に釘付けの視線が多い……ああ、分かっているさ。これも全部、この僕が美しすぎるからなんだね!」
「光りすぎて目障りなんだよ」
ヒルさんのいう通りである。てか、視線といっても、あなたを見る人の顔は皆不快な顔をしてましたよ?
まぁ、そんなことをしている間に、舞台となる闘技場に到着した俺達はさっそく観客席へと向かい、腰を下ろした。
ーーーーーーーーーー
夥しい数の観衆に見守られる中、本日のメインイベント、怪物祭は幕を切って落とされた。
中央のフィールドではこの日のために捕獲されたモンスターが狂暴性を解放し、目の前の獲物へと襲いかかる。
が、【ガネーシャ・ファミリア】の調教師は軽やかにこれを回避。周囲の声援を一手に浴びる。
モンスターの雄叫び、魔石製品の拡声器によって響く司会の口上、観衆の叫喚。
会場の盛り上がりは止まるところを知らない。
「やっぱ、すごいっすね〜!」
「はい。あの【ガネーシャ・ファミリア】の調教師の動きも、華がありますし、人を楽しませるもの。これだけで、かなりのお金もとれますよ」
「ほへぇ〜……」
隣で呆気に取られているスウィードをよそに、パディさんが調教師の様子を見て関心の声を漏らす。
ヒルさんやデルガさんは飲み物片手に観戦を続け、リリアさんはハーチェスさんの腕にくっついてご満悦。
エイモンドさんはいつのまにか姿を消しており、バルドル様はフンフンと楽しそうに鼻唄を歌いながら観戦していた。
……いや、あの人なんでいないんだよ
「おお! 今度は竜が出てきたっすよ!」
と、そこでアルドアさんの声につられて目を向ける。
ちょうど、俺達の向かいとなっている入り口から大型の竜が姿を露にしようとするところだった。
「ち、ちょ、あれ、大丈夫なんですか!?」
「大丈夫ですよ。 あれはオラリオの外から連れてきたモンスターのようですから。 ……しかし変ですね」
「お、パディ。てめぇも気づいたか?」
耳をピクピクさせ、辺りに注意を向けていたヒル
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ