怪物祭 1
[1/7]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「も、怪物祭?」
「そうだよ。 そう言えば、スウィードは初めて見るんだよね?」
「は、はい。つい最近までは都市外で狩人やってましたし……」
俺達がもう明日に迫った怪物祭の予定を話していると、何も知らないスウィードが疑問の声をあげた。
なにそれ美味しいの、といった状況。
「毎年この時期にやってるお祭りのことだよ。 【ガネーシャ・ファミリア】とギルドが連携して開催してるんだ」
「東の大通りの先に、闘技場があるんすけど、そこで【ガネーシャ・ファミリア】の調教師が見世物をするんすよ」
「調教師……てことは、モンスターをてなづけるんですか?」
「モンスターつっても、外の弱いのじゃねぇぞ? ダンジョンから引っ張ってきたやつが相手だぜ」
「え、そ、それって危険なんじゃ……」
「まぁ、ガネーシャのところの眷族達は腕がいいからね」
闘技場で行われるモンスターの調教は、都市外からも多くの人がやって来る一大イベントだ。
ダンジョンから連れてきた凶暴なモンスターを、【ガネーシャ・ファミリア】の調教師がてなづけるまでの過程を見て楽しむ。
まぁ、パンと見世物っつったらそうなんだけども。
「それじゃ、明日は皆で見に行こうか」
「ハーチェス様ったら、二人でだなんて……キャッ」
「リリア、皆で、だからね?」
「……はぁ、これだから色ボケエルフは」
「そんなことより、僕を見てくれ! 怪物祭用に新しく服を新調してみたんだ。 美しいだろ? この僕が!」
「金ぴかっすねー」
「……」コクリ
ハーチェスさんの提案で、リビングが一気に騒がしくなる。
ヒルさんも、若干尻尾が揺れているあたり、満更でも無さそうだ。
「それでは、明日のお昼はどうしましょう。僕が作りましょうか?」
「そうだな……せっかくだし、屋台のものでも食べようじゃないか。スウィードにも、祭りの雰囲気というのを感じてもらいたいしね」
「あ、ありがとうございます」
「あら、そうなの? 私もハーチェス様に作ろうと思ってたのだけれど」
「ハハハ、リリア、キモチダケデウレシイヨ」
乾いた笑い声をあげるハーチェスさんは、それじゃ休むよ、といってリビングから出ていった。
それを皮切りに他の団員も自室に戻る。明日は早いため、皆、もう寝るのだ。
「明日は丸一日、外だからな。 スウィードもちゃんと体を休めとけよ」
「分かりました。それじゃ、おやすみなさい」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ