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藤崎京之介怪異譚
case.2 山中にて
V 8.22.am11:58
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年前にあった事故は、三輪自動車であったのだ。バイクではなく…。小さな橋の欄干に激突したのは間違いない。
 二つに、ニ十数年前にも大きな事故があり、今度は例の場所で、若いバイク乗り四人が走行の最中に、誤って四人とも田んぼに落ちたことがあった。
 この時、なかの二人が首の骨を折って亡くなった。残り二人もかなりの重症で、たまたま通りかかった車に発見された。その時の発見者は、この下村さんだった。
 三つ、その後二年程経ってから、再びバイク事故が起こり、今度は一人で走っていたため発見が遅れ、かなり腐敗していたとのことだ…。
 この時はおかしなことに、田んぼの近くにある杉林から遺体が見つかったのだが、バイクは田んぼの下の川に落ちていたのだ。
 そうなっていては、探そうにも探せなかったに違いない。見つかったのは、まだ運がいいと言える。
 そこまで話を聞き終えると、俺達は顔を見合せた。こうなると光の主が分からない。
 だが、これでお仕舞いではないのだ。
「そっからまた十年くらいしてからか、今度は立て続けに三件事故があってなぁ…、二人死んどるんじゃ。」
 唖然とするほどの事故多発地帯だ…。
 俺はそんなとこになぜガードレールや柵が設置されないのか不振に思い、下村老人に聞いてみた。
「まぁ、そう思うのも無理ないのぅ。じゃがな、着けても着けても直ぐに錆び付いて駄目になるんじゃよ。どういうことか、わしにも分からんが…。」
 有り得る話しだと思う。しかし、どうもあの場所は、それだけではない気がするのだ。
 それというのも、この村は何回か廃れている。ここが廃村になる以前にも、同じことが繰り返されているのだ。
 この土地には平家の落武者伝説があり、家紋を継いでる家も存在する。何か不思議なことが起こったとしても、決しておかしくはない土地だ。
 現に、室町時代以前からあるとされる小さな稲荷の社が山に祀られている程だから、あながち嘘とも言えないだろう…。
 その稲荷は恐らく、初期は別の何かを祀っていたのかも知れないがな。
「何度も立て直したんじゃがのぅ。まぁ、廃村になってからは、誰も手を着けてないがの。殆んど来るもんもおらんようになったしのぅ…。」
 まぁ…そうだろうな。その時、小林が下村老人に質問した。
「あの田んぼってさ、どこん家のやつだっけ?」
「お前んとこの本家のやつじゃねえか。忘れたんかい?」
「そうかそうか。じゃ、問題ないな。」
 何が問題ないのか分からず、俺と鈴木は首を傾げたのだった。
 その後、下村老人は仕事があるからと戻って行き、俺達は今後どうするかを話し合った。
 これは、別に事件というわけではない。何となく変なものを見ただけであって、何かが起こったわけでもない。何かあったのは、もう遥か昔のことなのだ…。
「どうする?もうこ
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