第4章
停止教室のヴァンパイア
第91話 トップ会談、始まります!
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夏先輩!僕、頑張りますぅ!」
「そうだ!」
「フッ」
「はい!じゃあこれを被ってパワーアップを…」
そう言って紙袋を被るギャスパー。
「や、止めろ!怖い!?」
……ホント、妙な迫力があるな、それ。
(とは言え、やっぱり、限界を感じてくるな)
(ああ。俺達だって、教えるどころかまだまだ教えられる立場だしな…。もっと神器(セイクリッド・ギア)に精通してる先生みたいな人がいてくれたらな…)
ふと、脳裏にあの堕天使の姿が浮かび上がる。
いや、お互いに義理もねえし、無理か。
(まあ、無い物をねだってもしょうがねえだろ)
(そうだな。俺達でできる限りの事をやるしかねえよな)
そんな事を小声で話した後、ギャスパーの訓練を再開する。
翌日、今日はいよいよ三大勢力のトップ会談の日だ。
既に時間帯は夕方を超えて夜へと差し掛かっている。
「じゃあ、行くわよ」
部長の言葉に皆が緊張の面持ちで頷く。
ちなみに俺と姉貴も出席する事になっている。
グレモリー眷属以外尚且つ悪魔ではない者でコカビエルとの戦いの場にいた者達の代表と言う事でだ。
兄貴にも賞金稼ぎ(バンティーハンター)としての立場での出席を頼まれたんだが、外せない急用があると言う事で、急遽、姉貴が兄貴の代理に出席する事になった。
残りの千秋達は部室で留守番だ。
しかし、兄貴の事は本当に急だった。
「ごめん、ちょっと外せない急用があるんだ」
「急用って、賞金稼ぎ(バンティーハンター)関連のか?」
「まあね」
そう言って、今朝からどこかへ出掛けていった。
しかし、わざわざこんな重大な会談がある日にか…。
……嫌な予感がするな…。
杞憂であってほしいものだ
「ギャスパー、良い子で留守番しているのよ。会談中に何かのショックで貴方の能力が発動してしまったら大変な事になるわ。分かってちょうだい」
「は、はい」
訓練を積みはしたが、まだまだ、使いこなせていないからな。
何かの拍子でトップの誰かを停めるなんて事態になったら問題だしな。
「貴女達、ギャスパーをお願いね」
『はい』
留守番組の千秋達と眷属内で同い年の塔城は会談中のギャスパーの相手をする事になった。
「ギャスパー、大人しくしてろよ。これ貸してやるから」
イッセーはそう言い、携帯ゲーム機をギャスパーに渡す。
「あ、はい。ありがとうございます、イッセー先輩!」
「……お菓子も沢山用意したから」
そう言って、塔城は段ボール一杯のお菓子を出す。
「わあー、一杯!」
「ありがとう、小猫ちゃん!」
まあ、ほとんどは塔城の胃袋に消えていくんだろうがな。
「紙袋もここに置いといてやるな。寂しくなったら存分に被れ!」
「はい!」
「よし、良い子だ」
イッセーとギャスパー、すっかり仲良くなったもんだ。
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