神の宴
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るけどね!
グラスをテーブルに置いて料理を口に運んでいく。
そんな僕の様子に、二柱は苦笑いをしているが、今は食べる。
「む? 来ていたのか……」
「むぐ? ……ングッ、ウィザル!」
口につめていたものを飲み込み、現れた友人の名を呼んだ。
【ウィザル・ファミリア】主神、ウィザル。
天界からの神友同士で、この下界でも最も懇意にしているやつだ。
顔は整っているが、スキンヘッド無表情で強面だから、他の神は怖がっているのもいるけど、根はかなりいいやつなのだ。
「おお! ウィザルか。相変わらず」
「久しぶりね、ウィザル」
「……あぁ」
表情を変えずに頷いたウィザルはそのまま視線をこちらに移す。
それで、こう見えて女神慣れしていない。
これはあれだ。二柱の女神に話しかけられてなんと言っていいか分からないから僕に助けを求めている目だ。
長いこと付き合いがあるから、こういうのはすぐにわかる。
「この間は、うちの留守番ありがとうね」
「……気にするな。 困ったときは頼む」
「任せなって」
ちなみに、ウィザルの背は高い。
僕が一六〇ないのにたいして、ウィザルの体躯は一九〇を越える。
同じ男神としては羨ましいくらいだ。
「ふむ、こうしてみると、まさに美女と野獣」
「あら、面白いこと言うわね、イルマタル」
「こら、そこ。 僕は男神だ」
そう言うと、冗談よ、と笑うイズンとイルマタル。
だが僕は知っている。
ここに来ているほとんどの神達が同じようなことを言ってることに!!
『お、バルたん来てんじゃねぇか』
『お、マジだ。それにウィザルのやつも』
『うっはぁwww美女と野獣のコンビwww』
『誰かぁ! バルたんにありったけの酒をもってけぇ!』
「……泣いてもいいかい?」
「止めとき。他のが喜ぶだけじゃ」
だよねー、と僕は肩を落とした。
「しっかし、あれじゃの。今日の宴は珍しいのが出とるわい」
「ん? 誰か来てるの?」
グラスをグイッと煽ったイルマタルが、ほれ、あれ、と指を指す方を見る。
そこにいたのは、オラリオで唯一、ダンジョンでの稼ぎがなくともファミリアを運営できている【ヘファイストス・ファミリア】主神、ヘファイストスと……
「フレイヤ?」
「じゃな。 普段バベルに引きこもっておる奴が珍しい」
僕達神の中でも、頭金一つ飛び出た美しさを持つ美の神、フレイヤ
【ロキ・ファミリア】とともに最大派閥と言われている【フレイヤ・ファミリア】の主神。
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