2ndA‘s編
最終話〜無慈悲なエンドロール〜
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いるからこそライは思考を閉じたのだ。
『『マスター』』
「……?」
『『顔を上げなさい!』』
溶け合うように聞こえてくる二つの声。それに集中しようとした瞬間、罵声によって顔面を叩かれたような感触を覚えた。
『『背負ったのであればそれを誇りなさい!救えなかったのであればそれを糧にしなさい!』』
いつの間にやらビジュアル化していた自身の前には、同じくいつものデバイスの待機形態となっている蒼月とパラディンが点滅を繰り返していた。
『『貴方は全能でもなければ、ましてや神様でもありません。一人の人間です。できることが他人より少し多いだけの人間です』』
「……」
『『そんなマスターの為に私たちがあり、私たちを使うマスターがいるのでしょう』』
どこか諭すような言い方に、声の主がAIであることを忘れてしまいそうになる。それはCの世界の集合無意識に長時間接触したことによって起きたAIの人間的思考についての成長であるのだが、今のライはそれに気付くことはなかった。
『『マスター、貴方はこれからどうするのですか?』』
「……っ」
先ほどの叱るようなセリフとは打って変わって、確認するようにも、挑発のようにも聞こえるセリフを平坦な機械音声でに尋ねられる。
尋ねられた本人は一旦奥歯を噛み締めると、両手の平で自身の頬を打った。
「…………僕にできることを――――――――今の僕にしかできないことを」
『『イエス マイ ロード』』
いつもの機械音声、しかし確かにその声からは喜色を感じる事ができた。
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