2ndA‘s編
最終話〜無慈悲なエンドロール〜
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からしたら特に気にしないような言葉であったが、直接ライから聞いている人間からすればどこか違和感のある言い回し。それを追求しようと口を開く前にライは早口で説明を始めた。
「彼女には言いましたが――――」
チラリとライはリインフォースを一瞥してからライは本題を切り出す。
「僕はこの次元世界とは異なる次元世界をある特殊な方法で渡航してきた異分子だ。帰るべき場所もちゃんと存在する」
「それは次元世界内にある別の世界ではないの?」
当然のような疑問を口にするのはリンディであった。
「違うな」
力強い断言に流石に怯むリンディであったが、その視線は疑問をライに投げかけていた。
「僕のいた世界の人物とこちらの世界の人物で同じ存在の人間がいた。名前や容姿、性格だけでなく、人間関係も。だが、異なる点もきちんと存在する。確信を持てる要素はそれだけで十分だ」
有無を言わせず、一旦話を切るライ。自身の感覚とCの世界との繋がりから時間が差し迫っている事を察し、そのことが今のライを焦らせていた。
「リインフォース」
「……なんだ?」
名前を呼ばれたことと、どこかライが焦っていることを察した彼女はこれ以上追求することはせずに返事をする。
「確認したいことがある。今、夜天の書に主以外が干渉することは可能か?」
かつて、夜天の書がまだ闇の書であったとき、闇の書は外部からのアクセスがあった場合、主を取り込み次の主の元に現れる無限転生システムが組み込まれていた。ライが気にしていたのはその機能であり、それが最後の気がかりであった。
「できる。でなければ……」
口を噤むリインフォース。彼女が何を言いかけたのかを分かっているライはその言葉を引き継いだ。
「消滅することができない、か?」
「?!」
彼女の反応は顕著であった。それは彼女にとってライに知られたくはない真実である。それを無遠慮に踏みにじることに自分は最低で残酷だ、とライは自身を内心で蔑んだ。
「何故――」
「正直に答えて欲しい」
呆然と聞き返そうとする彼女の言葉を遮り、ライは尋ねる。胃のあたりが重いと感じながらも淀みなくその言葉を紡いでいく。
「この世界ではなく、僕の世界でなら君と言う存在を生き延びさせることができる。それを君は望むか?」
沈黙が落ちた。
それはその言葉が理解できないのではない。理解ができるが腑に落ちない点があるからこその沈黙。その為、頭が混乱し何を尋ねればいいのかさえ、ライ以外の三人は分からなかったのだ。
「どういう――」
声が震えているのを自覚しつつもリインフォースは問い質す。
「僕は――――夜天の書の原型のデータを持っている」
沈
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