九校戦編〈下〉
九校戦六日目(2)×ほのかの眩惑魔法と名無しのシャドーダイブ
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「えっ?」
先行した一番手の選手が、妙なコース取りを見せた。それは一番手はインコースからアウトコースに行くので、減速をしながら大きく中央ターンをした。ほのかはアウトコースからインコースである内側ギリギリを抜けて一気に加速して見せた。同じ減速をしたのに、ほのかが一位になった事でレオ達に疑問が出た。
「何だ今のは?」
普通なら大きく減速してからインコースを回るか、減速を抑えながらアウトコースギリギリを回るかの二択である。先程のように大きく減速しながら、内側を広く空けてコーナを回るのは、中途半端なだけだ。
「・・・・コースに影が落ちたような気がしたけど」
レオの声に、エリカが鋭く目を細めて呟いていた。
「あっ、まただ!」
今度は緩い大きなカーブをするが、他の選手はアウトコースに大き過ぎる余裕を残し必要以上に減速してカーブを抜けた。ほのかだけはインコースギリギリで、減速をした結果ほのかは更に差が開く事だった。
「・・・・なるほど、蒼太さんが言いたかった事はこれの事か」
「えっ、何?」
頷く幹比古にエリカが訊ねるが、それを答えるのは幹比古ではなく蒼太が答えたのだった。
「幹比古の思った通りですが、あれはまさに一真様の狙いです。他の選手にも遮光効果のあるゴーグルを着けさせる事で、エリカさんの読み通りとなりました。ただそれは水飛沫で視界を遮る為ではなく、暗い所を見えにくくする為なのですよ」
「全部言われてしまったけど、つまりそう言う事なんだよエリカ」
「なるほどねえ〜、幻術にこんな使い方があったなんて・・・・」
「明るくする事、暗くする事というだけで、敵行動をコントロールする事も可能です。魔法というのは本当に使い方次第で、ある意味誰も使った事のないような事も出来ますからね。一真様も光と闇を使う事で、今ほのかさんがやっている事もですけどね」
「・・・・三人で納得してないで、どういう事なのか説明してくれよ?蒼太さんは最初から理解してたのは知ってたけどさ、二人も分かったのなら余計気になるじゃねえか」
レオの不満げな声だったので、蒼太の説明をレオの頭で分かりやすく説明をした幹比古だった。その頃同じ時に説明をしていた本部でも、ほのかが使った魔法についてを説明していた鈴音である。
「織斑君の作戦は単純なものですよ。光波振動系により水路に明暗を作りますが、ただでさえ濃いゴーグルで視界が暗くなっているのです。明るい面と暗い面の境目で水路が終わっていると錯覚させてから、相手選手は暗い面に入らないようにする。つまり、相手選手にコースを狭く使わせているのです」
男子ピラーズ・ブレイクの観戦に行った克人の代わりに本部へ詰めている服部と、彼に付いて来た桐原は食い入るような表情で鈴音
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