機動戦士ガンダムSEED編
番外編 第2話 クルーゼ隊の三人のその後U
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すぐにでも駆けつけてくるだろう。しかし、君の出撃は容認することはできない」
「何故だ!!?」
「君の傷はとてもじゃないが戦闘に耐えられるものではない。そんなことをしたらまた傷が開いて今度は本気で死ぬ可能性だってある。医者としてそのような重体の患者を危険に晒す事はできない」
「なら、俺にただ指をくわえて待っていろとでもいうのか!」
「そうだ…それ「ふざけるな!!」……!」
イザークは血が滲む程拳を握り締め、鬼のような形相で医師を睨みつける。その迫力に医師は思わず後退りしてしまった。
「奴は……あのジンのパイロットは俺を盾代わりにした挙げ句、トドメもささずにそのまま放置したんだ!俺に殺す価値がないとでも言いたいのか、あのパイロットは!!」
尚も拳を握り締め、額に青筋を立てながらイザークは己の激情を吐露していく。
「このままにしておけるか……あんな裏切り者のコーディネイターなんぞに負けたままで終われるかッ!!」
イザークはジンのパイロットの事を自分達と同じコーディネイターと思っていた。
彼はナチュラルを幼い頃から見下して生きてきた。ナチュラルなど自分達コーディネイターの足元にも及ばない存在で、その中でも優れた能力を持つ自分はエリートなのだと本気で信じて生きてきた。
だからこそ寄りにもよってナチュラルの味方につき、尚且つ自分を打ち負かしたというのにトドメをささなかったジンのパイロットにここまでの憎悪を抱いているのだ。
「裏切り者のコーディネイター?だが、そのジンのパイロットがコーディネイターだと判断できる証拠はないと聞いているが?」
「何を言っている!貴様は俺がナチュラル如きに負けたとでもいうのか!!そんなことがある筈がない。いや、あって堪るものか!!」
実は医師の言ったことが正解だとは夢にも思っていないイザークであった。しかし、イザークはジンへの憎悪で正常な判断ができなくなっている上、元々ナチュラルを見下している為その答えに辿り着くのは無理な話だろう。
その後も必死に説得を繰り返したが、効果は得られずこの様子では自分の話など聞く耳を持たないだろう。医師はそう判断しニコルに説得を頼む事にした。
ディアッカは説得どころではない為無理だろう。となるとニコルしか頼めるものはいない。自分には出来なくても彼と付き合いの長い彼なら可能性があるかもしれないと、そう考えて………
「………」
「ディアッカ……」
ディアッカとニコル。二人は今、医務室の前にいた。
十数分前、医務室の医師よりイザークの意識が回復したと伝えられた。それを聞いた二人は急いで医務室にやってきたのだが、いざ入る直前になってディアッカはその場に立ち尽くしてしまったのだ。
「…イ
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