sts 16 「新たな脅威」
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っ……ルールー、何か近づいてきてる。魔力反応……でけぇ!」
アギトが口を閉じた瞬間、天井の一部が崩壊し落下してきた。それによって大量の土煙が発生し、敵の姿が見えなくなってしまう。
「リイン、準備はいいか?」
「はいです!」
「捕らえよ、凍てつく足枷……」
「フリーレンフェッセルン!」
ルールーという少女とアギトの足元で水が渦を巻いたかと思うと、一瞬で凍結し氷の牢獄と化した。元々凍結の魔力変換資質があるわけじゃないのに、あそこまで短時間で発動できるのは訓練の賜物なのだろうか。
「ヴィータ!」
「おうよ! ぶっ飛べえぇぇッ!」
残っていたガリューにヴィータ副隊長の強烈な一撃が命中し、半ば強引に吹き飛ばした。あまりの威力に柱に当たっても勢いは完全には消えず、その先にあった壁まで壊す。
僕達に大丈夫かといった意味の声を掛けてきてくれたけど、ほんのわずかな時間で起きた一方的な展開に呆気に取られてしまった。ティアさんからは乾いた笑い声が漏れている。
「やっぱりショウさん達って強いね。……でも局員が公共施設壊していいのかな?」
「ま、まあ……このへんはもう廃棄都市区画だし」
何やら現実逃避しているようにも聞こえる会話だけど、抱きかかえていたキャロの体がわずかばかり動いたため、僕の意識はそちらに向いた。目を開けた彼女に声を掛けてみると、ちゃんと返事があったので意識の混濁はなさそうだ。
「ちっ……逃げられた」
「こっちもです」
「みたいだな……ん?」
突然大きな音が聞こえたかと思うと、地下水路全体が揺れ始める。キャロが言うには、大型召喚が原因らしい。すぐさま脱出を指示され、スバルさんの作ったウイングロードで地上へと向かう。
地上に出る際に僕達は別れて行動を開始する。
キャロは召喚獣の動きを阻害し、スバルさんにギンガさん、それにヴィータ副隊長はキャロのいる方向から強襲する。ティアさんは敵の注意を引きつけ、僕とリイン曹長は最後の追い込みだ。兄さんとセイバーさんはこれが失敗した時のために別行動することになった。
けれど、結果的に言えばこの作戦が見事に成功し、ルールーとアギトにバインドを掛けることが出来た。
僕達はふたりを囲みながら僕達は何でレリックを狙っているのか? といった質問を投げかける。でも彼女達は何ひとつ答えようとしない。召喚師の少女に至っては、顔色ひとつ動かさそうとしない。しかし、しばらくすると彼女は独り言のように話し始める。
「逮捕するのはいいけど……大事なヘリは放っておいていいの?」
淡々と紡がれた言葉だったけれど、ヘリへの攻撃をほのめかす内容だっただけに僕達の緊張は高まった。調べてみると、市街地に推定Sランクの物理破壊型の砲撃反応があった。状況が状況だけに
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