sts 16 「新たな脅威」
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たかと思うと、彼女の視線の先には同年代くらいの女の子がケースを手にしていた。
兄さん以上に感情が見えない子だ、と思った直後、慌てて取り返そうとしたキャロに無表情の女の子は攻撃を仕掛ける。キャロも防御魔法を展開したけれど、砲撃じみた一撃に防御魔法は砕かれ彼女は吹き飛ばされる。それを見た僕は反射的に受け止めるけど、空中で受けたことで勢いを殺しきれずに壁に激突した。
「エリオ、キャロ!」
「今はふたりよりもケースが先です。スバルとギンガはあちらの動きを止めてください」
「わ、分かりました……うおぉぉッ!」
「…………」
「せあぁぁッ!」
スバルさんの攻撃は避けられてしまったけれど、ギンガさんの攻撃は命中する。僕の一撃とは比べ物にならない破壊力を秘めているようで、防御したはずの黒い虫人は踏ん張っているにも関わらず何メートルも後退した。
「そこのあなた、すみやかに止まってケースをこちらに渡してください。さもなくば、私はあなたを斬ります」
剣先を向けながら紡がれたセイバーさんの言葉に女の子は動きを止める。その直後、幻影を用いて姿を消していたティアさんが女の子の元に現れて身動きを封じた。
これで一件落着、と思った直後、ティアさん達の近くに何かが落下し凄まじい光と爆音を撒き散らす。こちら側の動きは止まってしまい、自由になった女の子は静かに歩き始めた。ティアさんはすぐに銃口を彼女に向けるけど、そこに黒い虫人が襲い掛かる。
「させません!」
いち早く体勢を立て直したセイバーさんがティアさんの前に入り込みながら敵の攻撃を受け止める。
アウトフレーム状態とはいえ、セイバーさんの身長は150センチ半ばほど。体型からしてもそれほど力があるようには見えない。
しかし、そこを理解し魔法を上手く用いて補っているのか、セイバーさんは吹き飛ばされることなく敵の攻撃を受け切ってみせた。兄さんのユニゾンデバイスだけあって、近接戦闘はお手の物らしい。
「ティアナ」
「はい!」
ケースを持ち去ろうとする女の子にティアさんが射撃を行う。真っ直ぐに向かった弾丸は直撃……したのだが、それはセイバーさんの目の前に居たはずの黒い虫人だった。あの距離を一瞬で詰めるなんて凄まじいスピードだ。
「ったくもう、あたしらに黙って勝手に出かけたりするから危ない目に遭うんだぞ。ルールーもガリューも」
「……アギト」
「おう、言っとくけど心配したんだからな。けどまぁ、もう大丈夫だぞ。何しろ、烈火の剣精アギト様が来たからな!」
新たな敵の存在に散らばっていたメンバーは僕とキャロの周りに一度集合した。アギトという人の形をしたデバイスらしき少女は、何やらポーズを決めながら周囲に花火を発生させている。格好良く見せようとしているのか、はたま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ