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歌集「春雪花」
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 流れゆく

  儘ならぬ時に

   苛立ちて

  君想うゆえに

     心軋みし



 時間とは人の身には儘ならないもの…。過ぎ行く時にどれだけ苛立っても、彼に会える訳ではない…。
 そうして日々を心を痛めて過ごさなくてはならないのは…彼を想うゆえ…。

 彼を…愛するゆえ…。



 先人の

  残せし恋歌を

   詠み耽り

  われの想いも

    負けじとぞ想ふ



 遥か昔から、恋は人を悩ませ…愛に心を痛ませた。
 在原業平…元良親王…藤原兼輔…右近…和泉式部…式子内親王…

 美しく、また切ない数々の歌は、今の世でも心打つ…。
 私の歌なぞ三流だが、その想いに引け目を感じることはない…。

 たとえ…私が男の身でありながら男を愛していても…。




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