最終話 ピクニックその九
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頂上には昼頃に着いた、頂上は奇麗な草原であり周りの木はあまりない。そしてそこから観る景色はというと。
「特に奇麗だな」
「そうよね」
裕香は笑顔で景色を観る薊にだ、、自分も微笑んで応えた。
「ここから観る景色はね」
「違うよな」
「別格ね」
「やっぱり頂上から観る景色は違うな」
薊は立ったまま周りを観つつだ、また裕香に応えた。周りの山は緑から紫にならんばかりだ。そして空は澄んだ青で。
その紫と青を観ながらだ、薊は満面の笑みで皆に言った。
「ずっと観ていたいよ」
「薊さんは自然とか好きなんだね」
「大好きだよ、山も海もさ」
そのどちらもとだ、智和の言葉にも笑みで答えた。
「本当に。ただ」
「ただ?」
「これだけじゃないからさ、好きなのは」
「食べることもだね」
「ああ、そっちも大好きだよ」
景色、自然のそれを楽しむ以外にもというのだ。
「それこそな」
「では今から食べようか」
「そうしような、皆で」
こうしてだった、一行はその場にビニールを敷いてだった。
それぞれのお弁当を出して食べはじめた、全員がお握りを食べている。
そのお握りを手に持って頬張りつつだ、薊は言った。
「やっぱりお握りは最高だよ」
「食べてからも言うのね」
菖蒲もお握りを食べつつ薊に微笑んで言った。
「そのことは」
「だって実際に美味いからさ」
「それでなのね」
「言うよ、何度でも」
それこそというのだ、この間も薊はお握りを食べている。
「こんな美味いもの他にはないだろ」
「確かにね。お握りって簡単だけれどね」
菊もお握りを食べている、海苔に奇麗に包まれ中には梅干が入っている三角系のそのお握りを。
「それだけにね」
「味わいがあるよな」
「うん、特にこうしたピクニックの時とかは」
「これに限るよ」
まさにとだ、やはり食べつつ言う薊だった。
「何個でも食えるよ」
「うん、お握りって何個でも食べられるのよね」
向日葵は俵型のお握りを食べている。
「それこそ」
「そうだよな、お椀に入れた御飯よりもな」
「沢山ね」
「食べやすいからな」
それでだとだ、薊は向日葵にも答えた。
「幾らでも食べられるよ」
「おかずと一緒に」
桜は一旦卵焼きを食べてからその味を楽しみつつお握りを食べている。
「幾らでも」
「中の具までな」
「梅干や昆布、鮭と」
「そういうのも楽しめるんだよな」
「それもまたいいところね、お握りの」
菫は中におかかが入っているお握りを食べていた、やはり海苔に包まれている。
「中身までが楽しめることが」
「そうなんだよな、これが」
「だから余計にいいのよね」
「ハンバーガーとかサンドイッチとか豚まんとかもいいけれど」
そういったも
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