最終話 ピクニックその七
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「しっかりと写真にも撮っておいたわ」
「何時の間にそうしたんだ」
「いつもしていたけれど」
「そういえばそうか、じゃあ今も」
「撮っておくわ」
その写真をというのだ。
「これからね」
「そうか、じゃあな」
「ええ、撮るわ」
黒蘭はカメラを出して撮ることもはじめた、一行はそれぞれ景色を観つつそのうえで山の頂上を目指していた。
そうしつつだ、智和は山の周りと山の木々を見ながら言った。
「日本の山はいいね」
「日本の?」
「実はドイツやスイスの山も登ったことがあるんだ」
薊の問いに温厚な笑顔で答えた。
「あちらの山もね」
「スイスか」
「そしてドイツのね」
「ってことはアルプスか」
そうした国々の名前を聞いてだ、薊は智和が登った山々が何処のものなのかを察してそのうえで言った。
「あそこの山登ったんだな」
「そうだよ、アルプスのね」
「先輩ああいうところも言ってるのか」
「父が好きでね、ドイツの南の方が」
「それで山にも行って」
「登ったことがあるんだ」
そうだというのだ。
「それでドイツやスイスの山も登ったけれど」
「どんな感じだったんだい?あっちの山は」
薊は智和にアルプスの山々のことを尋ねた。
「一体」
「アルプスの少女だね」
「ああ、アニメの」
「ああいう感じだったよ」
「あのアニメそのままか」
「うん、よくああして山羊を放牧している人も見たよ」
あの様に遠くに青く上が白い山々が見えてだ、木々は日本の山より少ないが草と花が多いその山の中でというのだ。
「山羊のミルクやチーズも食べたよ」
「チーズか」
「そう、チーズもね」
「あのアニメのチーズ凄い美味そうだけれどな」
「いや、ドイツのチーズはともかく」
智和はあのアニメのとろけた、これ以上はないまでに美味いパンの上に乗せられたそのチーズのことも話した。
「スイスのチーズはあまり、だよ」
「まずいのか」
「古いんだよ、新しいチーズは保存するから」
「ああ、何かスイスって凄い軍隊持ってるんだよな」
「国民皆兵の国でね」
このことは日本でも知られる様になってきていることであろう、スイスやスウェーデンはそうした国々なのだ。
「食べものも保存していたりするんだ」
「そうなんだな」
「だからね、チーズもなんだ」
「ドイツのものと比べると、か」
「そういうことなんだ」
「成程な」
「それで山だけれど」
智和はあらためてこちらの話をした。
「アルプスの山はもっと木が少ないんだ」
「あのアニメでもそうだったな」
「そうだね、それで木の下もあまり植物がないんだ」
「日本みたいにか」
「結構寂しい感じだよ」
「山でも国によって違うんだな」
薊は智和との話からこのことも知った。
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