第四十五話【INグリード・アイランド編】
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少女は俺の言葉に勢い良く顔を上げると、声の発生源を探して見上げた。
「えっ!?あのっ…」
一瞬言葉に詰まってしまったようだ。
「リオちゃんで合ってる?君の名前」
自分の知っている言葉で声を掛けられて戸惑っているようだ。
「…っはい…」
下細い声で泣く様に返事をしたリオ。
「迎えに来たよ」
出来るだけ安心させるように言ったつもりだったのだけれど。
「…っうぁ…うぅ…うああああぁぁあぁぁっぁぁぁあぁぁ」
何処にそんな体力を残していたのかと言う勢いで立ち上がると、俺にしがみ付く様に抱きついて泣き出した。
「っアオ!ちょっと速過ぎるよ、って、え?何?この状況?だっ大丈夫なの?」
遅れてフェイトが到着する。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ」
泣き止まないリオ。
その腕はさらに力強さをまして俺に抱きついた。
俺は彼女が泣き止むまで好きに泣かせてその頭を撫でた。
ようやく落ち着きを取り戻したリオに持ってきていた食料をで軽く食事を取らせる。
その時に秘術のドーピング、神酒を希釈したドリンクも忘れない。
体力回復にはもってこいだ。
…原液で飲んだら死んじゃうかもだけど。
その間にソラ達に念話を繋げ、発見した事を告げる。
大まかに位置を告げると、ソラ達の方から此方に出向いてもらう事にした。
と言うのも安心したのかリオが意識を手放したからだ。
まあ、最初からこんな幼子を連れての長距離移動は難しかったんだけどね。
いま彼女は俺の膝を枕に眠っている。
神酒も飲ませたし、外傷も無い。
体調に関しては問題ないだろう。
後は精神か。
こんな幼い時分で孤独に耐える時間が彼女に与えたストレスはどれ程のものか。
そればかりは俺には治せない。
優しい言葉を掛けてあげるのが精一杯と言った所だ。
合流したソラ達には周囲の警戒をしてもらっている。
まずはリオが覚醒するまで待つつもりだ。
日が中天を過ぎ、傾き始めた頃、ようやくリオが目を覚ます。
「うっ…うみゅ」
「おはよう」
眠気まなこに目を擦りながら起き上がる。
「えっ、あのっ!…おはようございます…」
一瞬ほうけたが、起き上がり、直ぐに現状を確認し、膝枕をされていた事を思い出したのか顔が真っ赤に染まった。
「うん、まあ、もう昼も過ぎているんだけどね。
それより、今自分がどういう状況なのか、俺達が何者か、説明してもいいかな?」
「あ、はい。お願いします」
確りした受け答え。
…、なんだろう。
子供なのにやけに精神年齢が高いね。
最近の子供はコレがデフォルトなの
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