暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と二本尻尾の猫
第十二幕その八
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「イタリアの人は最後はです」
「このジェラートですね」
「これを食べないと駄目とか」
「そう言う人が多いのですね」
「ですから」
 それで、というのです。
「是非共です」
「はい、召し上がらさせてもらいます」
 先生は日笠さんに答えてでした、それから。
 そのジャラートも食べて笑顔で言いました。
「このジャラートもいいですね」
「そうですよね」
「このお店はジェラートもいいのですね」
「デザートもです」
 パスタやピザだけでなく、というのです。
「いいのです」
「そうなのですね」
「ケーキもタルトも素晴らしいです」
「では今度行った時に」
「その時はですね」
「ケーキかタルトを」
 そのデザートにというのです。
「召し上がらさせてもらいます」
「では私も」 
 日笠さんはタイミングを入れてご自身をお話の中に入れました。
「ご一緒に」
「来て頂けますか」
「先生が宜しければ」
「ではその時は」
 ここで断らないのが先生です、それでなのでした。
 日笠さんのお願いに応えます、それだけで嬉しくなる日笠さんでした。
 そしてお食事の後でなのでした。
 日笠さんは先生にです、こうも言いました。
「あの、先生」
「何でしょうか」
「これからお時間はありますか?」
 こう尋ねたのでした。
「今夜は」
「特に何も予定はありませんが」
 先生は日笠さんに穏やかな声で答えました。
「論文を書く予定もありません」
「そうですか、それでは」
「それでは?」
「これからバーに行きませんか?」
 先生に必死の感じでの提案でした。
「如何でしょうか」
「いえ、それは」
「それは?」
「今夜は飲み過ぎてしまいました」
 見れば先生のお顔はかなり赤くなっています、お酒は強い先生ですがそれでもです。今夜はというのです。
「ついつい。ワインが美味しくて」
「二本開けておられましたね」
「それだけ飲めば。昨日も飲みましたし」
 だからだというのです。
「今日はもう飲みません」
「そう、ですか」
 そう言われてです、日笠さんは。
 残念そうなお顔になってそのうえで先生に言いました。
「では今日は」
「折角のお誘いですが」
「これで、ですね」
「あっ、お車は用意します」
 先生らしく紳士的な対応でした。
 先生は携帯を取り出してでした、ある場所に連絡しました。そのある場所にこう言ったのです。
「じゃあこちらまでお願いします」
「場所は何処ですか?」
「イタリア料理のレストランの」
 お店の名前を言ったのです。
「その前です」
「わかりました、では一台」
「お願いします」
「あの、何を」
「はい、タクシーに来てもらいました」 
 先生は日笠さんに微笑んで答えま
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ