第十二幕その十二
[8]前話
ジョージがです、神宝とカルロスに尋ねました。
「どうしよう」
「ううん、どうしようって言われても」
「僕達何も持っていないよ」
「そうだよね、だから」
「何かをお贈りしようにも」
「どうにもならないよ」
「いえ、そうでもないわよ」
ここでこう言って来たのはガラスの猫でした。
「あんた達もそれぞれいいものを持ってるわよ」
「えっ、私達も?」
「そうなの?」
「ええ、あんた達の服よ」
それがというのです。
「ほら、あんた達こっちに来る時に着ていた服」
「あの服が」
「私達の贈りものになるの」
「そう、服は最高の贈りものの一つよ」
そうだというのです。
「親愛も示すものだから」
「それで私達の服も」
「おじさん達にお贈りしてもいいのね」
「何かこれといって」
「あまり大したものじゃないと思うけれど」
「あんた達が大したものと思っていなくても素晴らしいものもあるのよ」
そしてその素晴らしいものがというのです。
「服もそうなのよ」
「ええと、それじゃあ」
「私達それぞれの服を」
「服なら同じデザインと色のものをすぐに作られるわよ」
例え渡してもとです、猫は五人にこうもお話しました。
「オズの国ならね」
「だから服をお贈りしても」
「それで変えられないってこともないのね」
「同じ服がすぐに手に入るから」
「だから」
「そう、心配しなくていいわ」
替えの服のことはというのです。
「親愛を示してね」
「わかったわ、それじゃあ」
「私達もね」
おじさん達に贈りものをすることを決めてでした、そのうえで。
それぞれの服を持って来ておじさん達にお渡ししました、するとおじさんもおばさんもとても明るい笑顔で言いました。
「君達もプレゼントを貰えるなんてね」
「凄く嬉しいわ」
「有り難う」
「大切にさせてもらうわね」
「はい、有り難うございます」
「受け取って頂けて」
五人はお二人の言葉に笑顔で応えました、そして。
それぞれお二人と握手をしました、その握手が終わった後で。
オズマがです、皆に優雅な笑顔で言いました。
「さあ皆さん今日は」
「おじさん達をお祝いして」
「この場で、ですね」
「ええ、楽しく食べて飲んで歌って踊って」
そうして、というのです。
「この日をお祝いしましょう」
「お二人が生涯を誓ったこの日を」
「神に感謝を」
オズマが最初から杯を掲げて皆も応えました、そのうえで。
皆はお二人の結婚記念日を心からお祝いしました、ベッツイもその中で今回の旅のことを思い出して心から笑いました。
オズのベッツイ 完
2014・11・13
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