1部分:第一章
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来た。
「毒を使う。それでだ」
「殺すというのだな」
「あの男を」
「毒ならば急死ということで話が済む」
これは昔からよくあることだった。実際に歴史の中で『急死』した人物は数多い。だがその中に毒殺された者が数多くいるというのも事実であろう。
そうしてだった。彼等はその毒を用意してだ。そのうえで劉禅を宴に招いたのである。
「さあさあ、それでは」
「お楽しみ下さい」
「美酒も馳走もあります故」
顔と声だけはにこやかに劉禅を歓待するのだった。
そうしてだった。彼に上座の宴の主の席の横の席についてもらいだ。そのうえで次々にその酒と馳走を出す。その中で隙を見ていた。
「頃合を見てだ」
「毒の入っている酒を出しだ」
「死んでもらおう」
剣呑な様子で彼を狙っていた。そうして美女達が舞を舞い音楽が奏でられる。宴の真実を知らない普通の来客達はそれを見て純粋に楽しんでいる。そのうちの一人がふと劉禅に対して言ったのである。
「ところで」
「はい、何でしょうか」
「楽しんでおられますか?」
実に何気なく彼に尋ねたのである。実際に彼は何も考えずに劉禅に尋ねた。
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