九校戦編〈下〉
九校戦五日目(5)×名無しの試合風景と今までの活躍ぶりを語る
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々美、それはちょっと問題発言よ。お兄様に指名権があったのは事実だけど、今更そう言うと菜々美が担当してくれた人に悪いわよ」
柔らかく窘められて、女子生徒は自分のセリフに担当エンジニアに対する不満の言葉だった事に気付いた。あわわわ、と態度だけでなく口にも出して慌てて立ち上がり、上級生の中にいる担当エンジニアの姿を探した。本人は笑いながら怒ってないから気にしないでと言っているような感じで、手を振っていたのを見てホッとした表情を浮かべて、ピョコンと大きく頭を下げてから席に戻ってきた。
「あーっ、焦った」
「ナナ、自分の未熟をCADの所為にしちゃダメだよ」
「えへへ・・・・反省」
まるで拠点D×Dにいる雛里みたいな感じで慌てていたので、少し懐かしいと思ったのだった。あわわ軍師と呼ばれていたし、今頃どうしているかな?と思っていたら女子生徒のお喋りはボリュームは下がったが内緒話には見えない程のボリュームだ。
「でも一真さんのお陰で、いつも以上に力が出せたのは間違いないし」
「それに関しては私も同じだよ〜。一真君が技術スタッフになったお陰で、他では発表されてない技術で作られたデバイスを使用したからね〜」
「・・・・私も同意見に一票」
「ええー!それってつまり他ではまだ発表されてない技術の結晶であるデバイスを使ったって事!いいなー」
スピード・シューティングでは、俺オリジナルハンドメイドのデバイスを使えた体験が出来たのか、他の女子選手達は大いに盛り上がった。他のエンジニアには悪いが、これ以上フィーバーさせるのはまずいと思ったが既に遅しとなっていた。深雪も苦笑いしながら、これに関してのフォローは出来ないと言ったので俺も諦め顔をして女子の輪に入っていた。
「CADの調整って、ある意味自分の内側を曝け出す訳じゃない?それが男の子のエンジニア何てって最初は思っていたけど、一真君の技術を見た私やスバルに和美は一真君に指名したんだよね〜。一真君の技術なら、自分が使ったCADや一真君のオリジナルCADを使えるから担当してホントに良かったよ!」
「エイミィ、少し落ち着けって。まあ確かに指名する権利はあったが、まさか俺の技術を見た選手は一斉に指名した事で倍率が上がったと言っていた」
「確かにそうですが、お兄様が担当となり未発表の技術で勝利したのは練習の賜物よエイミィ。それにお兄様の技術については、箝口令だからね?」
深雪が最後に言った箝口令というキーワードで、一瞬シーンとなるが俺の技術は他では教えられないからだと悟った女子達だった。エイミィの無邪気な笑みは、とてもいい笑顔だがこれを聞いた男子達のテンションは駄々下がりだった。そんで苦笑で済まされなかったのか、一人の男子生徒が出て行ったが森崎と追い掛ける男子二人。
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