sts 15 「本命は……」
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機動六課全体に通信を入れた俺達は、まず始めに少女を楽な姿勢にしつつ、レリックと思わしきケースに封印処理を施した。しばらくすると、こちらに駆けてくる足音があった。
「エリオにキャロ、ショウさん!」
「あっ……スバルさん、ティアさん」
「この子か……またずいぶんとボロボロに」
確かにティアナの言うとおり、この少女はボロボロだ。彼女の状態から考えるに、ケースを引き摺りながら地下水路を長距離移動してきたのだろう。
エリオくらいの年代ならケースを持つこともできるが、この子には持ち運ぶのはきつい重さだ。それにケースに巻きついている鎖から考えて、おそらくケースはもうひとつ存在している。
「まだこんなにちっちゃいのに」
「……ケースの封印処理は?」
「兄さんがその子の様子を見ていたのでキャロがやってくれました。ガシェットが見つける心配はないと思います」
エリオの言っていることは正しくもあるが、それは今ここにあるケースに限った話だ。もうひとつのケースは未だに地下水路のどこかにあるはず。ガシェットが現れる可能性は極めて高い。
「そう……あれ? その鎖からしてケースはもう1個あるんじゃ?」
「それに関しては今ロングアーチの方で調べてもらってる。それと俺は専門じゃないから正確性には欠けるが、多分この子は意識を失ってるだけだろう」
「なるほど、じゃあとりあえず今の私達にできるのは現状の確保と周辺の警戒ですね」
取り乱すことなく状況把握し、これからの行動を素早く口に出せるようになったあたり、ティアナの指揮官としての能力も上がっているようだ。
とはいえ、油断はできない。
こんな小さな少女がレリックを所持していたことも気になりはするが、封印処理をしていないレリックが存在しているのだからほぼ間違いなく戦闘が起こるだろう。
市街地での戦闘は可能な限り避けたいが、敵がこっちの都合を考えてくれるはずもない。この前の召喚師も出てくれば戦闘の難易度は格段に変わってくる。はやてがそのへんを考慮して動いてくれているだろうが、重要になってくるのは現場の俺達のはずだ。
少女のバイタルに気を配りながら待機していると、なのは達が駆けつけてくれた。俺は少女をシャマルに任せ周囲の警戒に回る。
「…………うん、バイタルは安定してるわね。これといって危険な反応もないし心配ないわ」
専門家であるシャマルが言うのだから間違いないだろう。少女のことを心配していたフォワード達の顔に自然と笑みが浮かんだ。
「ごめんねみんな、せっかくのお休みの最中だったのに」
「いえ」
「平気です」
「ケースと女の子はこのままヘリで搬送するから、みんなはこっちで現場調査ね」
なのはの指示にフォワード達は元気に返事をする。機動六課が稼動したば
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