sts 15 「本命は……」
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――可能な限り迅速に対応しなくては。
そのように思った矢先、リインが何かに気づいた声を漏らした。彼女が示した方向には無数の機影が確認できる。あれだけの増援が突然現れるか気になった俺は、すぐさまファラに確認を取ったが、どのようなチェックをしても実機という答えが返ってきた。
「しゃらくせぇ! どんだけ来ようが全部まとめて落とすだけだ!」
ヴィータはお得意の射撃魔法である《シュワルベフリーゲン》を放つ。放たれた4発の鉄球は赤い星となって敵影に直撃し、木っ端微塵に吹き飛ばした……のだが、直撃したのは2発だけで残りの2発は敵を素通りしてしまった。
これは別にヴィータの射撃の腕が悪かったわけではない。鉄球は直撃コースだった。しかし、当たったと思った直後には敵を通過していたのだ。つまり敵の増援は……
「実機と幻影の混成部隊か」
戦力的に分析をすれば防衛ラインを割られることはないだろう。だがこれだけこちらに大規模な陽動をするということは、地下かヘリに主力が向かっている可能性が高い。
くそ……嫌な予感がする。
今俺達にできる選択肢は大きく分けてふたつ。ひとつは誰かしら残して他の応援に向かうこと。もうひとつは広域魔法を使って一気に殲滅するという方法だ。
後者は現状ではリミッターが掛かっているので使用は難しい。だが申請すれば許可が下りそうな状況でもある。もしものことを考えるとなのは達には余力を残しておいてもらいたい。ならば俺がやるのが最善だろう。そう思った俺は、はやてに通信を繋いだ。
「はやて、ひとつ頼みがあるん……何で騎士甲冑を纏ってるんだ?」
『何か嫌な予感がするからな。クロノくんから私の限定解除許可をもらうことにしたんよ。やから空の掃除は私がやる』
確かにはやては広域殲滅を得意としている。限定解除を行えば、最も最速で状況を打開できるだろう。
しかし、はやての限定解除を行えるのはクロノやカリムといった限られた人間だけ。解除を行える機会も少ないはずだ。貴重なものを使ってしまっていいのかと考えてしまう。
――だが……使えるものを出し惜しみして後悔するような未来を迎えることははやては良しとしないだろう。
それに何より今は昔と違って上司と部下の関係だ。はやてがそうすることを決めたのならば従うべきなのだろう。
『ちゅーことでショウくんとヴィータ、それにリインはフォワード達と合流。ケースの確保を手伝って。なのはちゃん達は地上に向かってヘリの護衛や』
はやての指示に俺達は肯定の意思を示し、それぞれ行動を開始する。
戦闘場所が場所だけにはやてのリミッターは完全には外れていないだろうし、リインはこの場に居るので真の力は発揮できないはずだ。また彼女はリインがいないと精密コントロールなどに難がある。
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