sts 15 「本命は……」
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出て体勢を安定させると、リインがヘリの方を振り向き、ヴァイスさんや彼の相棒であるストームレイダーにエールを送る。それを聞き終えると、最高速度でヴィータとの合流地点へ向けて飛翔し始めた。
『別件のことですが、私が呼ばれた現場にあったのはガシェットの残骸と壊れた生体ポットだったんです。ちょうど5、6歳の子供が入るくらいの……また近くに何か重いものを引き摺った跡があって、それを辿っていこうとした最中に連絡をもらった次第です』
ギンガの説明と保護した少女の背丈や所持していたケースから考えると、あの子が生体ポットに入っていた可能性が高い。だが普通の女の子が生体ポットに入っている可能性なんて……考えられるとすれば
『それから生体ポットなんですが、前によく似たものを見たことがあるんです』
『回してもらった映像を見る限り……私も心当たりがある』
『それは人造魔導師計画の素体培養機……あくまで推測ですが、あの子は人造魔導師の素材として作り出された子供ではないかと』
そう……ギンガの言ったように人造魔導師くらいのものだ。
人造魔導師とは、優秀な遺伝子を使った人工的に生み出した子供に投薬や機械部品の埋め込みで後天的に強力な魔力や能力を持たせることで誕生する。
ただ倫理的な問題はもちろん、今の技術ではどうしたって色んな部分で無理が生じる。またコスト的な面から考えても割りに合わない。故に手を出す連中はよほど頭のネジが外れた奴らばかりだ。
この手の話題はフェイトやエリオには辛いものがある。特にエリオはまだ10歳だ。今も人知れず考え込んでいる気がしてならないが、今俺がすべきことはリイン達と一緒に航空戦力の殲滅。そもそもフォワード達も成長しているのだ。一緒に居るのだから何かあればフォローするだろう。
「あっ、ヴィータちゃんです」
「よし、無事に合流できたな。あっちはすでに交戦して順調に撃墜してる。あたしらも負けてられねぇぞ」
「ああ、即行で片を付けるぞ」
俺とヴィータはそれぞれ一度に複数の魔力弾を生成し、リインは俺達のフォローに回る。死角ができないように位置取りながら、俺とヴィータは次々と魔力弾を放つ。これといった掛け合いはないが、次々と敵機を撃墜できているのは長年の付き合いがあるからだろう。
「おし、良い感じだ」
「はいです、わたし達のチームワークは今日も絶好調です!」
「よし、この調子でガンガン行くぞ。さっさと片付けて他のフォローに回らねぇと」
「そうだな」
なのはは実力的に心配はないし、フェイトも一緒だから問題ないだろうが……やはり発展途上のフォワード達は心配だ。セイやギンガが一緒だとしても、召喚師や他の敵が出てきた場合のことを考えると不安が残る。またヘリの方に別働隊が向かっている可能性も否定できない。
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