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【銀桜】7.陰陽師篇
第7話「イカナル時ニモ笑顔ヲ絶ヤサナイ」
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は所々鈍く、明らかに様子がおかしい。
 両腕を欠落して動きにくいというより、内側から力を抑えつけられているようだった。
【やめろ!やめろ!道ォォォォォ満ンンンンンン】
 最凶の邪神が叫ぶ悲鳴に晴明は悟る。
「…道満……。まさかお前が闇天丸の動きを封じて……」
 その時、闇天丸の動きがピタリと止まった。
「晴明…これ以上…貴様にいいカッコさせてなるものか…最後くらい俺に…カッコつけさせろ。今のうちにとどめを刺せ」
「しかし……」
「やれェェェェェェェェェ!!」
 道満の叫びが、ためらう晴明だけでなく会場の巳厘野衆たち全員に伝わる。
「一千年の時を経て結野衆と巳厘野衆一つになる時が来たのだ!両家一丸となって呪われし因果の輪を打ち破れ!!」
 その言葉に応えるように一斉に呪文を唱える巳厘野衆たち。彼らから沸き上がった霊力は銀時の木刀へ集まっていく。
「まだまだ足りねェェ!もっとビンビン固くなるまで力よこせェェェ!」
 銀時が木刀をかざすと江戸の危機を悟って会場に駆けつけた結野衆たちも霊力を飛ばし、木刀はさらに輝きを増していく。
 それは決して交わることのなかった二つの力が一つになった瞬間だった。
 そして晴明とクリステルも共に想いをこめた霊力を銀時へ放つ。
 やがて結野と巳厘野と三人の想いを受け取った木刀は、どんな暗雲もブチ抜ける巨大な光柱へと変わった。


「天気アナ、一つ問う」
 轟音風雨の中に輝く光を見据えながら、双葉が静かに口を開く。
「今日の天気は激しい豪雨か?吹き荒れる嵐か?悲鳴かっさく(いかずち)か?」
 お天気アナウンサーは小さくお辞儀をして、暴風の中へ立つ。
「結野クリステル。今はお天気お姉さんとして参らせて頂きます」
 同じく、光が宿った木刀をその瞳に映しながら。
「お伝えします。今日の天気は――」
 銀時は振り上げる。
 光輝く木刀を。一つになったみんなの想いを。
 それは闇天丸ごと天井を貫いて、空を覆う暗雲に巨大な切れ目をいれた。
 そこから差しこむ一筋の光に照らされて――


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お天気お姉さん・結野クリステルは晴天の笑顔で、本日のお天気を告げた。

=つづく=?

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